宮崎県議会 > 2004-09-15 >
09月15日-02号

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  1. 宮崎県議会 2004-09-15
    09月15日-02号


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    平成16年 9月定例会午前10時1分開議 ─────────────────── 出 席 議 員(43名)      1番  米 良 政 美  (自由民主党)      5番  宮 原 義 久  (  同  )      6番  外 山   衛  (  同  )      7番  押 川 修一郎  (  同  )      8番  十 屋 幸 平  (  同  )      9番  横 田 照 夫  (  同  )      10番  高 橋   透  (社会民主党宮崎県議団)      14番  中 野 広 明  (自由民主党)      15番  湯 浅 一 弘  (  同  )      16番  前 本 和 男  (  同  )      17番  中 野 一 則  (  同  )      18番  黒 木 覚 市  (  同  )      19番  萩 原 耕 三  (  同  )      20番  丸 山 裕次郎  (  同  )      21番  浜 砂   守  (  同  )      22番  外 山 良 治  (社会民主党宮崎県議団)      23番  太 田 清 海  (  同  )      24番  河 野 哲 也  (公明党宮崎県議団)      26番  由 利 英 治  (自由民主党)      27番  堀之内 憲 一  (  同  )      28番  水 間 篤 典  (  同  )      29番  野 辺 修 光  (  同  )      30番  長 峯   誠  (  同  )      31番  星 原   透  (  同  )      32番  蓬 原 正 三  (  同  )      33番  井 本 英 雄  (  同  )      34番  黒 木 次 男  (  同  )      35番  満 行 潤 一  (社会民主党宮崎県議団)      36番  新 見 昌 安  (公明党宮崎県議団)      37番  井 上 紀代子  (民主党宮崎県議団)      39番  永 友 一 美  (自由民主党)      40番  外 山 三 博  (  同  )      41番  緒 嶋 雅 晃  (  同  )      43番  川 添 睦 身  (  同  )      45番  松 井 繁 夫  (  同  )      46番  徳 重 忠 夫  (  同  )      47番  坂 元 裕 一  (  同  )      48番  坂 口 博 美  (自由民主党)      49番  植 野   守  (  同  )      50番  鳥 飼 謙 二  (社会民主党宮崎県議団)      51番  長 友 安 弘  (公明党宮崎県議団)      52番  山 口 哲 雄  (民主党宮崎県議団)      53番  権 藤 梅 義  (  同  ) ───────────────────地方自治法第121条による出席者 知     事   安  藤  忠  恕 副  知  事   三  宅  義  彦 出  納  長   江  藤     隆 総合政策本部長   日  高  幸  平 総 務 部 長   山  本  圭  吾 地域生活部長    村  社  秀  継 福祉保健部長    中  原  健  次 環境森林部長    城  土     裕 商工観光労働部次長 戸  高  榮  作 農政水産部長    田  尻  徳  明 土 木 部 長   鈴  木  和  俊 企 業 局 長   西  岡  直  已 財 政 課 長   近  藤  貴  幸 教育委員長職務代理 塩  月  良  一 教  育  長   高  山  耕  吉 警察本部長     清  水     勇 代表監査委員    川  崎  浩  康 人事委員会事務局長 仲  田  俊  彦 ───────────────────事務局職員出席者 事 務 局 長   野  中  憲  二 事務局次長     黒  木  康  年 総 務 課 長   米  良     剛 議 事 課 長   加  藤  裕  彦 調 査 課 長   高  屋  道  博 議事課長補佐    奥  野  信  利 主幹兼議事第一係長 成  合  孝  俊 議事課主査     永  田  清  文 議事課主査     沼  野  昌  泰 △議員の辞職許可 ○議長(米良政美) これより本日の会議を開きます。出席議員42名。 本日の日程は代表質問でありますが、ここで、議員より辞職願が提出されておりますので、事務局長に朗読させます。   〔事務局長朗読〕 ───────────────────        辞 職 願 私儀、このたび、一身上の都合により、平成16年9月15日をもって県議会議員を辞職いたしたいので、許可されるようお願いいたします。  平成16年9月14日        宮崎県議会議員 長峯 誠 宮崎県議会議長 米良 政美 殿 ─────────────────── ○議長(米良政美) ただいま朗読いたしました長峯誠議員の辞職の件を日程に追加し、議題とすることに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(米良政美) 御異議ありませんので、長峯誠議員の辞職の件を議題といたします。 この場合、長峯誠議員は、地方自治法第117条の規定により除斥されますので、退席願います。   〔長峯議員退席〕 ○議長(米良政美) お諮りいたします。 長峯誠議員の辞職を許可することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(米良政美) 御異議ありませんので、長峯誠議員の辞職は許可されました。 暫時休憩いたします。   午前10時3分休憩 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   午前10時5分開議 △議案第14号から第22号まで追加上程 ○議長(米良政美) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、お手元に配付のとおり、知事より議案第14号から第22号までの各号議案の送付を受けましたので、これらを日程に追加し、議題とすることに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(米良政美) 御異議ありませんので、そのように決定いたしました。 議案は配付を終わっております。〔巻末参照〕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━知事提案理由説明 ○議長(米良政美) ここで、知事に提案理由の説明を求めます。 ◎知事(安藤忠恕君) 〔登壇〕 ただいま提案いたしました議案第14号から第22号について御説明申し上げます。 まず、議案第14号は、教育委員会委員塩月良一氏が平成16年10月8日をもって任期満了となりますので、その後任委員として江藤利彦氏を任命いたしたく、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項の規定により、県議会の同意を求めるというものであります。 次に、議案第15号は、教育委員会委員森迫幹雄氏が平成16年10月8日をもって任期満了となりますので、その後任委員として福本安甫氏を任命いたしたく、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項の規定により、県議会の同意を求めるというものであります。 次に、議案第16号から第22号は、土地利用審査会委員萩元重喜氏外6名の委員が平成16年10月24日をもって任期満了となりますので、その後任委員として萩元重喜氏外6名を任命いたしたく、国土利用計画法第39条第4項の規定により、県議会の同意を求めるというものであります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。〔降壇〕 ○議長(米良政美) 知事の説明は終わりました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △代表質問 ○議長(米良政美) それでは、ただいまから代表質問に入ります。 質問についての取り扱いは、議会運営委員会の決定どおり取り運びます。 質問の通告がありますので、順次これを許します。まず、自由民主党、坂口博美議員。 ◆(坂口博美議員) 〔登壇〕(拍手) おはようございます。自由民主党を代表いたしまして質問をいたします。 質問に入ります前に、先般の台風16号及び18号によりまして被災されました皆様に、心からお見舞いを申し上げます。特にこの台風におきましては、県内で2名の方がお亡くなりになりました。お二人の御冥福を心からお祈りいたしますとともに、けがをされた方々の一日も早い回復を願うものであります。 それでは、通告に従いまして順次伺ってまいります。 初めに、知事の政治姿勢に関してであります。 知事はこの8月で就任後1年を迎えられました。その間、財政改革推進計画総合長期計画長期ビジョン、雇用・産業再生指針の策定など種々の取り組みをされてきております。そこで、この1年の総括として、これまでの成果等をどう認識し、今後どのような県政運営を図っていかれるのかお伺いいたします。 あわせて、いわゆる念書問題についてでありますが、この問題に関しては、さきの6月議会での緊急質問もあり、その際に知事は、「詳細はしかるべき場面で明らかにしたい」と説明されました。あれから約3カ月近くたっておりますが、現時点で県民に対し説明できることがあれば、お伺いをしておきたいと思います。 次に、平成17年度の当初予算編成について伺います。 国では、去る7月30日に閣議了承されました平成17年度予算の概算要求基準に従い、各省庁による概算要求が8月末に出そろったところであります。この概算要求基準を見ますと、昨年度と同様、公共投資関係費については3%、裁量的経費についても2%のマイナスシーリングとされているなど、これから年末に向けての予算編成は、昨年度に劣らぬ厳しい要求基準のもとでの作業が進められるところとなるものと思われます。片や本県でありますが、昨年8月の安藤県政発足後、間を置かず打ち出されました「宮崎県財政改革推進計画」をもとに議論に議論を重ね、ようやく成立を見た本年度の当初予算でありました。これにまさる選択肢なき予算編成であったとはいえ、経営不振や雇用不安の続く中、来年度もまた3カ年計画に沿っての財政改革予算の編成となるのか否かは、県民の関心の極めて高いところであります。 そのような中、国が本年7月に最終決定しました平成16年度の普通交付税等の状況を見ますと、財源不足を補てんする臨時財政対策債が前年度より27.7%もマイナスとなるなど、総額で2,174億6,900万円余となり、平成15年度と比べますと230億1,000万円余の減となっており、本年度の歳入改善見込みはいよいよ厳しく、県財政への懸念は一層増幅をするところであります。加えて本県では、これまでの経済対策等により県債残高は増嵩し、これから先はいよいよそのツケ払い、すなわち公債費が膨張を続けていくという状況にあり、また県税収入についても、今時の経済状況のもとでの大きな伸びはとても期待できないわけであります。 このように文字どおりの三すくみ、まさに八方ふさがりとも言えるような、この厳しさの中にある本県財政ではあります。しかしながら、いかなる中にあっても、県民のニーズや期待に可能な限りこたえていくのが政治の責務であり、これまた知事の使命であろうと思います。限られた財源のもと、まさに知恵や努力の見せどころとも思いますが、平成17年度の当初予算編成に向け、これら厳しい財政の現状を踏まえ、どのように対応していかれるおつもりなのか、知事に御所見をお伺いいたします。 次に、県民生活関連枠に関してであります。いわゆる財政改革初年度予算となった本年度の予算でありますが、議会の予算案承認の判断材料の一つは、県民生活関連枠34億円の措置にありました。公共事業の大幅削減など、県民に及ぶであろうその影響を推しはかるとき、可能な限りその軽減をという知事の姿勢が評価できたからであったと理解しております。したがいまして、今時の社会経済状況のもと、来年度においても、また公共事業費削減などの財政改革予算が編成されるのであれば、私は、この生活関連枠の措置が引き続き来年度もなされるべきであると思いますが、知事のお考えをお伺いいたします。 次に、三位一体改革についてであります。 去る8月18、19日の両日、新潟市において全国知事会が開催され、平成17、18年度を第1期として3兆2,000億円の国庫補助負担金等を廃止、削減することなどを初めとする改革案が取りまとめられ、地方六団体により同24日に内閣総理大臣に対し、この改革案が提出をされました。当初はその立場や財政状況等の相違などから合意は困難と見られていた改革案も、地方六団体は、この機会こそ地方分権の千載に一遇を得るの好機との考えから、小異を捨て大同に立って、小泉首相にボールを投げ返したわけであります。当初、財政諮問会議が地方に投げかけたメニュー提出の要求は、地方には投げ返せる力量もないという、どちらかといえばたかをくくった考えからではあるまいかと非常に不愉快に感じていた私でありますが、これだけの規模に及ぶ補助金改革の統一案に合意を見た地方の力量に、大きな満足を覚えますと同時に、小さからぬ快感をも抱いているところであります。 しかしながら、その一方で一抹の不安を禁じ得ないのもまた事実であります。つまり、三位一体の改革は、国による地方への関与力の低下を目的とするものであり、その実現は、国という極めて大きな公権力の弱体化を意味するものであります。したがいまして、特に今回の統一案が対象としている補助金等を抱えている関係各省庁は、今後あらゆる手段を講じ、統一案の骨抜きや地方の団結力の弱体化をもくろむことが予測されるからであります。とりわけ、公共事業のための国債による財源のように、国税以外を財源とする補助金等については、削減即移譲とはなりづらいものもあり、高速道路の供用率や国・県道の改良率が全国でも最下位グループに位置する本県にとって、三位一体改革道路財源確保や道路整備のあり方は、極めて気になるところであります。 ところで、平成16年度に実施分の1兆300億円を削減し、6,558億円を移譲したとする国の言い分に対し、地方からは国にだまされたとの大きな反発が起こりました。削減分の中に事業そのものが廃止された3,197億円が含まれていたこと、移譲分の中に前年度実施分の2,051億円が加算されていたことなどに対する反発であります。このような地方に対しての背理とも言える結果を生んだのは、地方は蚊帳の外に置かれ、財務省と総務省のみの折衝が中心になって行われたことによるところが大きいと思います。 したがいまして、今後は、今回のリスト提出の条件でもある地方と国とが対等に協議し合う常設協議の場などにおいて、今回の地方案にある改革を着実に進め、真の地方分権の確立を実現させるべきであると考えます。今後の三位一体改革の検討に際し、真の地方分権を図るため、どのようなお考えのもとどう取り組んでいかれるおつもりなのか、また三位一体改革道路財源確保や道路整備のあり方についてどのような考え方で取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 さらに、この三位一体の改革の流れの中、昨年度示された本県の中期財政見通しは今後どのように変わっていくのか、また新たな中期財政見通しを公表する予定はないのか、総務部長にお伺いいたします。 次は、災害対策について伺います。 先般の台風16号及び18号は、近年本県に上陸もしくは接近した台風としては、平成9年の北川町に激甚災害をもたらした台風19号にまさるとも劣らない強力なものでありました。また、この台風では、2人のとうとい生命が奪われるなどの人的被害を初め、現時点で把握しているだけでも、家屋の全半壊717棟、浸水した家屋約1,020棟などと、現時点での被害総額は約498億円にも上り、今後はさらに増大するものと思われます。 このような一連の被害の中でも、特に椎葉村や西米良村など山間部における道路災害等は甚だしく、いまだ手つかずの状況にあり、海面養殖業においては、県内ほとんどの施設が壊滅的な被害を受けるなど、多くの面で極めて深刻な状況にあります。16号接近に伴う対策本部設置以来の、関係部局における昼夜をいとわぬ御努力は十分承知するところでありますが、規模の深刻さ等から、今後の復旧見通しや被災者への支援など大変気にかかるところでもあります。今回の台風被害に際し、その復旧や支援等について、知事のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。 ところで、今回の2つの台風では、合わせて2万8,556世帯、6万8,985人に避難勧告が出され、さらには自衛隊や消防による孤立者の救出などといった事態もありました。申すまでもなく、このような人的被害の未然防止などに際しては、勧告や出動の決定判断とその情報伝達体制等が極めて重要性を持つものと思われます。総務部長に伺いますが、県から市町村、そして市町村から地域住民への情報伝達体制はどうなっているのか、また今回の台風への対応等から今後改善すべき点などはなかったのか、あわせてお願いいたします。 ここで1点、土木部長にお尋ねいたします。土砂被害現場からのTV報道などを見るとき、大変気になることがあります。それは、地元住民へのインタビューなどで、「まさかあの程度の雨で山が崩れるとは思いもしなかった」というコメントなどを聞くことが、少なからずあるということであります。そして、その後は決まって専門家などの話として、長雨により地下に残っていた水分が多いときには、少ない雨でも土砂災害の可能性が高い旨の説明が伝えられます。つまりこのことは、地域住民の、まさかこれくらいの雨でという認識を、この雨は危険だとの認識に変えさせることが可能であることを意味するものであると思うのであります。もちろん、仮に同一の降雨条件下であっても、その地形や地質などにより土砂災害の発生可能性は異なるわけであり、正確な予測は困難であろうかと思います。しかしながら、土砂災害の発生しやすい地域には設置雨量計の密度を高くするなどして、周辺での雨の状況をより的確に把握することで、それまでの雨による山の状況と今後の雨の動きなどから、より的確・迅速な危険性の判断が可能になるものと察します。土砂災害の危険性をマクロ的にでもよいから早目に察知し、その情報についても、住民に、よりわかりやすい形で提供する方策が必要であると考えますが、県の土砂災害への取り組み状況についてお伺いいたします。 引き続き総務部長にお伺いいたします。今回の一連の豪雨災害における犠牲者の多くは、全国例外なく高齢者でありました。これら高齢者を初め、災害時要援護者に対する災害時対応の現状はどうなっているのか、また今回、多くの高齢者が犠牲となられたことを受け、今後何をすべきと考えているのか、お聞かせください。 さらにまた、他県では、避難所が被災するといったまことに遺憾な事例もありましたが、県内での避難所の安全性の確保についてはどうなっているのか、あわせてお伺いいたします。 次に、県民の健康づくりについてであります。 現在、作業が進められております新総合長期計画長期ビジョンでは、知事が県政推進のキーワードとされてきた「元気のいいみやざき」を基本目標に掲げ、健康立県宮崎、環境立県宮崎の取り組みを全国にアピールしていかれると伺っており、特に健康立県の取り組みは、高齢化が進展する中で、高齢化率が全国平均を上回る本県が、超高齢者社会のモデルとなるとのことであります。 さて、先ごろ厚生労働省がまとめました報告を見ますと、企業の定期健康診断で、血中脂質や肝機能などで「異常あり」とされたサラリーマンの割合が、平成15年は47.3%と過去最高となっております。中でも生活習慣病のバロメーターともされる血圧や血中脂質などの数値が悪化しており、血圧が0.4ポイント、血中脂質0.7ポイント、尿検査1.9ポイント、それぞれ増となっております。これらの数値の悪化は、動脈の硬化を生じ、ひいては脳梗塞や心筋梗塞への懸念を持たせるものであると思われます。 そのような中、全国に比べ高齢化の進行が5年も早いと言われる本県では、老人医療費、介護保険などの公費負担が、今後ますます増大するものと見込まれます。したがいまして、生活習慣病を予防し、県民が健康で長生きできるための取り組みは、ますます重要性を増し、かつ急がれるところであります。 ところで、本県では、県民の健康づくりに関しましては、平成13年2月、「健康みやざき行動計画21」を策定し、諸施策の推進に取り組んでおられるところであります。さて、10カ年を推進期間とする本計画も、いよいよ来年度は中間年度を迎えるわけでありますが、この計画のこれまでの評価と今後の展開について、どのように考えておられるのか、知事にお伺いいたします。 また、申し上げましたように、全国より早く高齢化が進んでいる本県では、病気の一次予防は無論、脳卒中等で障害を起こした後も、住みなれた地域での生活を可能にするための条件整備が必要と考えますが、そのための現状認識と今後の考え方について、福祉保健部長にお伺いいたします。 次は、県立病院に関してであります。 平成15年度の県立病院の決算を見ると、当年度約28億円の赤字、累計で約165億円もの大きな赤字を計上するに至っております。 ところで、総務省が公表した平成14年度の都道府県立病院の決算状況を見ますと、このような状況は本県に限るものではなく、約7割の病院で赤字経営となっているようではあります。しかしながら、民間病院では、平成13年度分ではありますが、赤字経営の割合は約2割と自治体立に比べ大変少ない状況にあります。 県立病院には、救急医療、高度医療など不採算医療を担う部分があるとはいえ、制度的には、政策医療に係る経費負担の原則に基づき、一般会計において負担すべき経費として、県一般会計から毎年度、これら不採算医療に係る診療収入の不足額について支出されており、不採算医療部門を理由にすることは適当ではなかろうと考えます。県立病院の経営に関しては、これまで幾度となく議会や監査サイドからもその改善方を求める意見等がなされ、委託制度の導入や各種施設基準の取得による診療収入の確保などと、その改善に取り組んできてはおられます。しかしながら、その効果については大幅な赤字を解消させるには依然遠いものであり、はるか解決には至りません。 このような大きな赤字を見るとき、私は、病院そのもののあり方を基本から検討し直すなど抜本的な経営改革が必要であると考えます。折しも県は先月、副知事を会長とする県立病院のあり方に関する検討委員会を設置されたところでありますが、ここでは今後どのような取り組みがなされていくこととなるのか、知事にお伺いいたします。 続けて、福祉保健部長に伺います。申すまでもなく、県立病院の最終目的は、県民医療の確保と質の向上にあり、効率的な経営を図る一方、良質な医療サービスの提供に努めなければならないことは当然であります。そのためにも、病院の機能について第三者機関等による評価点検を受けるなど、常に改善に努め、県民の信頼を揺るぎないものとすることが重要であると思いますが、御所見をお願いいたします。 また、先ほど申しました不採算医療と一般会計からの繰入金との考え方について、制度上過不足が生ずるものなのかどうか。さらに、全国では約3割の都道府県立病院は黒字を計上しているようでありますが、その要因等について、赤字の病院との間に共通的な相違点などはないものかも、あわせてお伺いいたします。 次は、県立富養園についてであります。 先般県は、富養園の機能整備に関し、新施設を県立病院に併設することなどを内容とする基本方針を公表されました。この件につきましては、議会等からのたび重なる指摘等の末、平成11年に庁内に副知事を会長とする検討会議を設置し、今ようやくその基本方針が示されたところであります。この間約5年、それ以前からの検討期間を含めれば、10年にも及ばんとする期間が経過したわけでありますが、この間、これに要した時間や経費を見るとき、それに値すべきものは何ら見当たらず、いかに、これまでの県の精神保健医療に対する姿勢に大きな反省を求めなければならないものがあったか、この質問の初めに、まずこのことを断ぜざるを得ないのであります。 さて、国が先ほど示した精神保健医療福祉の改革ビジョンを見ますと、全国では、受け入れ条件が整えば退院が可能な入院患者が約7万人もあるとし、立ちおくれた精神保健医療福祉体系の再編と基盤強化を進めることで、10年後の解消を図るとしております。 そのような中、本県の入院患者の平均在院日数を見ると、平成14年で460日と全国平均を約100日も上回っており、入院期間の長期化が際立っております。そういった状況のもとでの今回の基本方針でありますが、方針の中で5つの機能を担うとされ、場所を県立宮崎病院に併設とされたことの趣旨等について、福祉保健部長にお伺いいたします。 また、この中では平成17年度までに成案を得るとされていますが、今後どのような検討を行い、いつから施設整備に着手となるのか。さらに、5つの機能に絞った場合、機能の対象から外れる患者も出てくると思われますが、どうなるのか。現在入院中の患者の移転に伴う対応のあり方とあわせ、御答弁をお願いいたします。 次は、新たな環境保全条例に関してであります。 二酸化炭素、一酸化二窒素、フロンガスなどのいわゆる温室効果ガス、これらの気体のおかげで地球上は生物の生息しやすい温度を保ち続けており、もしこれらの気体が現存しなかったなら、地球の平均気温はマイナス18度Cとなり、生物は生息できなくなると言われております。そして、これらの気体中の主たるガスである二酸化炭素は、ヨーロッパにおいて産業革命が始まった1800年ころには空気中濃度が280ppmであったものが現在では370ppmと、この200年間で90ppmも増加しており、特に近年では毎年1.5ppm程度増加し続けております。申し上げましたように、人類を初め生物生存のための必要不可欠条件と言える温室効果ガスも、産業の発展などに伴い増加を続け、近年さまざまな現象を呈するようになってきております。地球の各地で進む砂漠化や水不足、そしてそれとは対照的に海面の上昇や大洪水、さらには植物の南限・北限の変化や、デング熱、マラリア等風土病のエリアの拡大などであります。 これらはすべて温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響によるものでありますが、人為的な気候変動のリスクに関する最新の科学的、技術的、社会経済的な知見を取りまとめて評価し、各国政府にアドバイスとカウンセルを提供することを目的とした政府間機構、いわゆるIPCCの資料によれば、過去100年の間に地球の平均気温は0.6度C上昇をし、地球温暖化は既に始まっているとされております。また、気象庁の観測によれば、我が国の平均気温はこの100年間で1度Cも上昇したとされ、環境省では、今後100年で北日本で5度C、南日本で4度Cもの気温上昇を予測しております。また、別の報告では、今後100年の間に地球の平均気温は1.4度Cから5.8度Cほど上昇し、その結果、海面が9センチメートルから88センチメートル上昇するとしております。ちなみに、我が国周辺での海面上昇が1メートルの場合、日本の海岸線の9割以上は浸食を受け、65センチメートルの場合でも8割以上の海岸線が浸食される計算となります。 このように地球温暖化は、生命や地球そのものの存在を否定しかねない問題であり、地球の環境容量を超える負荷が我々の生活行動から生じていることを知るとき、私たちみずからが環境に配慮した生活行動へと生活様式を変えることが、今強く求められていると思います。 こうした中、去る7月、県環境審議会は知事に、新たな環境保全条例の制定についての答申を行ったところであります。ところで、県の長期ビジョンによりますと、健康立県、環境立県の取り組みにより、「人と自然にやさしい『元気のいいみやざき』」を目指すとされておりますが、こういった宮崎づくりに際しての基本的な考え方を、新しい環境保全条例ではどう生かそうとされるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次は、森林・林業に関してであります。 まず、県民参加の森づくりに関し伺います。耳なじんだ言葉となりましたが、森林は、土砂の流出防止や水質浄化、水源涵養、さらには安息の場等々数多くの機能を有し、環境の世紀とも言われる今時、その役割はさらに重要性を増してきております。特に近年では、地球的課題でもあります温暖化防止への機能とともに、物の豊かさから心の豊かさへの価値観の変化等により、森林空間に対する一層の期待と関心が高まってきております。 しかしながら、まきや炭を初め、建材やパルプ等の利用など、人々の暮らしと深く結びついていた森林は、近年の社会情勢の変化等に伴い経済的価値を失うなど、その荒廃が大きく懸念される状況にあります。とりわけ、里山や都市近郊の山では、家庭ごみや産業廃棄物の捨て場と化すなど、その実態には惨たんたるものがあります。このような状況が続くとなりますと、公益的機能の低下はもとより、公害の発生等、人々の暮らしに大きな支障を来すことが懸念されます。しかしながら、今日の森林・林業の置かれた環境を思うとき、ひとり林業者の努力のみで、すべての森林を公衆の期待にこたえ得る空間として維持管理していくには、もはや限界があるものと思われます。 そのような中、県は平成13年4月に、「みやざき悠久の森づくり」県民憲章を制定し、県民参加型による森づくり運動への取り組みを始められたところであります。環境森林部長に伺いますが、これまで県は、このような県民参加型の森づくりの推進のため、どのような取り組みをしてまいられたのか、また今後はどう取り組んでいかれるおつもりなのか、御答弁をお願いいたします。 次に、分収林を中心とした森林の今後のあり方についてであります。本県の森林面積約59万ヘクタールのうち、61%、36万ヘクタールは、主として昭和20年代より進められたきた拡大造林等により植栽された人工林であります。そして、その所有形態は、国有林、公有林、私有林に大別され、この中で、林業公社等に代表されるような公的機関により分収契約が結ばれている分収林については、今後の10年間に毎年、平均2,000ヘクタール以上が契約の終期を迎える状況にあります。仮に、これらが契約終期と同時に伐採されるとなれば、現在の年間伐採面積1,900ヘクタールは、4,000ヘクタールにまで増大する試算となります。そうなれば、低迷の続く木材市場にさらに追い打ちをかけ、価格の暴落を招くなどの極めて深刻なものが懸念されますが、県は分収林を含めた伐採面積増加に対し、今後どのような対応をされるのか、環境森林部長にお伺いいたします。 さらに、林業公社の改革に関し伺います。本県の林業公社は昭和42年の設立以来、造林進度が低位にあった県北18市町村を対象に、約1万2,000ヘクタールに及ぶ杉を主体とする人工林造成を進めてまいられました。これは、国県林政の施策の一つとして進められた拡大造林の一環であり、この事業を通じ、森林資源の充実とあわせ、県土の保全や地域雇用の場の創出等、地域振興の一翼を担われてきたところであります。しかしながら、これら造成林がいよいよ主伐期を迎えんとする今、木材価格の下落など林業環境の悪化から、長期借入金の残高が321億円にも達するなど、経営の厳しさは日を追うごと深刻さを増し続ける状況にあります。 このようなことから、材価の回復等、将来展望も開けない今、現状のままの公社のあり方では、結果的には県民に多大な負担がかかることは明白であり、県は行財政改革推進の中で、公社の抜本的な改革方針を本年9月を目途に取りまとめるとしたところであります。いよいよ今議会での報告となるものと思いますが、現時点での改革に際しての基本的な考え方を、知事にお伺いいたします。 さらに、公社改革の具体的な対策として、多額の債務をどう軽減していくのか。分収林契約については、契約相手への協力要請といった何らかの契約変更も求めていく必要があるのではないかと考えますが、環境森林部長の見解を伺います。 次に、農政問題について伺います。 本県農業は、施設園芸や畜産など地域特性を生かした多様な農業を県下全域で展開することにより、全国8位の農業産出額を誇る我が国有数の食料基地として、その地位を高めてまいりました。昭和23年に、戦後の食料増産を目的としてスタートした本県の農業改良普及事業は、昭和30年代の県防災営農計画に基づき、早期水稲や畜産、施設野菜の振興、そしてその後の高付加価値型農業の確立に向けた立体園芸やフルーツランド構想、さらにはブランド確立といった時代が求める政策の実現を図るため、農業者とともに最前線での活動を展開し続けてきました。 ところで今、我々が国を挙げて取り組むべき深刻な課題の一つに、食料の自給率の向上があります。一方、その現場である農業・農村の切実な課題として、担い手をどう確保し、地域産業として農業を今後どのように発展させていくのかということがあります。21世紀においても、生命の源である食の確保を担い、基幹産業として地域経済を支えるべき農業、大きく不足する担い手をどのように育てていくのか、まさに人に視点を当てた力強い普及活動が求められております。 このような中、国において本年5月、10年ぶりとなる農業改良助長法の改正が行われております。今回の改正は、食料・農業・農村基本法に基づく新しい施策に対応するための抜本的な見直しと聞いておりますが、これまでの普及事業とどのような点がどう変更されたのか、農政水産部長にお伺いいたします。 また、私はかねてより、本県農業振興のためには、生産の現場で農家の支えとなるべき普及事業の強化が必要だと強く主張してまいりました。今回の見直しがいかなるものであれ、本県の普及事業については、この転換期にある本県農業の構造改革を促す組織として、一層の機能強化が図られるべきと考えております。県では、農業改良助長法の改正を受けて、新しい普及事業を立ち上ぐるべく、有識者による「宮崎県農業改良普及事業在り方検討会」を設置し、検討を進めているようでありますが、現在どのような検討がなされているのか、農政水産部長にお伺いいたします。 次に、農産物のブランド対策についてであります。本県では、平成13年度から新たなブランド対策として、商品ブランド認証制度を軸に、宮崎ならではの特徴ある商品づくり、消費者から信頼される産地づくり、農家所得の安定確保を目指した安定的な取引づくりを柱とした対策を展開されており、一定の成果を得ておられるようであります。特に、国内におけるBSEの発生や相次ぐ食品偽装問題、さらには輸入農産物の無登録農薬問題等、食の安全性に対する消費者の信頼が揺らぐ中、いち早くこの課題に取り組まれたことについては、一定の評価をいたしているところであります。 そしてまた、この本県における取り組みを他県に先駆けさせたのが、県総合農業試験場で開発された残留農薬分析技術であると言えましょう。短時間で残留農薬の有無を確認できるこの技術を活用した検査システムは、全国から「宮崎方式」と称され、食べる前に安全性が確認できる手法として大きな共感を呼びました。また、これらの安全・安心を目指した取り組みや、商品の特徴を生かしながら、顔の見える販売への取り組みを行うことで、生産者の再生産を可能とする価格を基礎とした取引先との交渉にも、契約取引推進の中で積極的に取り組めるところとなっております。 私は常々、生産者が生産コストをベースに自分の商品にみずから価格設定ができる農業を目指すべきだと主張してまいりましたが、このブランド対策の取り組みがその道を開いてくれるのではないかと、大変期待をしているところであります。また、これらみやざきブランドのPRにつきましても、知事がみずから先頭に立たれ、全国の市場や量販店を駆け回ってトップセールスを展開されておりますことは、生産者にとってはまことに頼もしい限りであり、このような活動を通じて新たな取引が生まれたり、取引先との信頼のきずなが強化されることを切に願っているものであります。 しかしながら、全国の状況を見てみますと、どの県も輸入農産物に負けたくない、国内の他の産地に負けられないと、産地の生き残りをかけてのブランド戦略を展開するようになり、あたかも全国総ブランド化の様相を呈しております。このようなことから、トップセールスも含め、みやざきブランドとしてのさらなるPR活動が必要だと考えます。 また、本県がトップを走っている残留農薬検査体制についても、各県とも宮崎に追いつけ追い越せとの意気込みで整備を進めているようであります。県内で流通している農薬有効成分数は現在約200種類、国内では約550種類あると言われておりますが、分析農薬数のさらなる拡大と内容の充実を図ることが、この分野のトップランナーとしての使命ではないかと思うのであります。 その上で、さらに食品の機能性についての研究にも早急に着手すべき時期にあると感じております。食と健康に関する消費者の関心は今日一段と高いものがあり、つとに近年では、食による健康づくりとの観点から、食品に含まれる機能性成分までをも選択基準とする消費者動向の中にあろうかと思われます。したがいまして、機能性という時代のニーズにこたえられる商品開発は、今後の重要な視点ではないかと思うのであります。このように本県ブランドの価値をさらに高めていくためには、挑戦すべきさまざまな課題があると思いますが、これらの視点も踏まえ、県は、今後のみやざきブランド対策の展開方向をどのように考えておられるのか、農政水産部長にお伺いいたします。 ここで1問、今回の台風後、急激な広がりが懸念されますトマト黄化葉巻病に関し、取り急ぎ伺います。この病気につきましては、県下のトマト圃場において平成13年度より発生が見られており、年々病害の拡大が確認されております。そして、これが今回の台風による施設被害などからか、このところ県内で急激な感染拡大が心配されるような状況も見られ、このままでは農業経営に大きな支障を来す可能性が心配されます。また、隣県では、この病害の発生面積の拡大による被害が、既にかなりな発生を見ているとも聞いております。そのようなことから、大変心配をいたしているわけでありますが、このトマト黄化葉巻病の原因と対応策について、取り急ぎここで農政水産部長にお伺いいたします。 次に、水産問題について伺います。 本県は、近海カツオ一本釣り漁業や沿岸マグロはえ縄漁業が全国1位の生産量を誇るなど、全国でも有数の水産県であります。しかし、本県水産業を取り巻く状況は、生産量が、平成10年には12万730トンであったものが、平成14年には10万2,952トンに大きく減少しているほか、生産額も、長引く景気の低迷等による魚価安が続く中で、平成10年の469億5,000万円から、平成14年には403億1,000万円に減少するなど、年々厳しさを増してきております。その一方で、輸入水産物は近年増加傾向にあり、平成14年の輸入額は1兆7,622億円と、国内生産額を超えるところまで増加してきており、今後のWTO非農産物アクセス交渉の結果いかんでは、輸入の拡大とそれに伴う一層の魚価安も懸念されているところであります。 さらに、今年6月に発効し、平成17年に批准の見通しである中西部太平洋マグロ類条約、いわゆるWCPFCや大西洋マグロ類保存委員会の取り決めなど、特にカツオ・マグロ漁業は、国際的資源管理に伴う漁業規制の強化が進むことで一層厳しい経営を強いられることも考えられます。私は、カツオ・マグロ類を対象とするこれら国際的な資源管理につきましては、制度自体にいささか疑問を持っているところでもあります。と申しますのも、資源管理に加盟している日本などの漁船には漁獲規制がかけられるのに、一方では規制を逃れ、無秩序に漁獲する違法、無報告、無規制などの漁船、いわゆるIUU漁船が存在しているからであります。また、漁獲後に養殖、蓄養されるマグロは規制の枠外となっており、それらのマグロが大量に日本に輸入されているわけでありますから、日本のマグロ漁業は大変な苦戦を強いられることになります。国際的な資源管理自体は、カツオ・マグロ漁業の永続的な安定のために必要なことであると認識しておりますが、それぞれの国で不公平にならないような規律を早急に確立するべきだと考えております。 このような中で担い手の状況を見ますと、先ごろ公表された漁業センサスによれば、平成15年の本県の漁業就業者は3,749人で、平成10年の4,277人から528人、率にして12%の減少となっております。また、65歳以上の漁業就業者の占める割合も、平成10年の17.5%から平成15年には22.6%になるなど、高齢化が一段と進んでおります。加えて、輸入水産物の残留医薬品問題など、消費者の食に対する安心・安全に対する関心も高まっており、これらの新たな課題への対応も含めて、今後、本県水産業をどのように振興していくのか、今、大きな岐路に立たされているように思います。このような厳しい状況にある本県水産業について、知事は本県漁業をどのように認識され、今後どう取り組んでいかれるおつもりなのか、御見解をお願いいたします。 また、水揚げ量が減少している中で、漁家経営の安定のためには、漁獲した魚をいかに高く売るかが重要であります。例えばお隣の大分県には、「関アジ」「関サバ」という全国レベルのブランドがあります。通常1尾の活サバが100円から200円で取引されるところを、関サバでは3,000円と、15倍以上の高値での取引が行われております。 一方、本県においても、宮崎を代表する魚15種を「宮崎の魚」としてPRに努めるとともに、「宮崎カンパチ」「北浦灘アジ」「門川金鱧」をみやざきブランドとして認証するなどの取り組みも始められ、中でも「北浦灘アジ」については、魚価が従来の8倍にもなるなど、一定の成果は上げておられるようであります。このように水産資源が減少し、とる魚が限られる中で、漁家経営をよくするためには、漁獲物にいかに付加価値をつけるかが大変重要であり、魚価向上を願う漁業者の大きな関心事となっております。本県におけるこれまでの水産物付加価値向上の取り組みと今後の考え方について、農政水産部長にお伺いいたします。 また、沿岸域での安定した漁獲の確保も、沿岸漁業の経営安定のためには極めて重要でありますが、もともとが離水海岸である日向灘海域には、稚魚等が育つ天然瀬礁も少ないのが現状であります。加えて本県中部海域は、海岸線が非常に単調で、増殖場造成の必要性は、なおさら高いわけであります。しかしながら、これまでには、ヒラメを対象とした増殖場造成が一度に限り取り組まれただけであります。これは、増殖場造成事業では地元負担金等もあり、その必要性は認識しながらも、なかなか取り組めないという現実があるからであります。とは申せ、水産資源の維持増大のためには、このような取り組みを計画的に推進しなければ、せっかくの放流事業を初め、資源維持に係る他の事業でのその効果は、おのずと限界を迎えることになろうかと思いますが、日向灘の水産資源を維持増大し、沿岸漁業を振興するために、これまでどのような取り組みを行ってきたのか、また今後どのように取り組むのか、農政水産部長にお伺いをいたします。 次は、海岸保全のあり方についてであります。 平成11年の改正海岸法では、従来、国土の保全、すなわち海岸の防護を第一の目的としていた海岸保全のあり方から、環境や利活用にまで配慮した保全へと、そのあり方を大きく前進させております。この流れの中、県においては、平成15年3月、海岸保全計画を策定し、400キロに及ぶ本県海岸の保全や管理のあり方についての基本的な考え方を示しております。具体的には、護岸や環境あるいは利用の面などにおいて、類似している一定区域の海岸を一つの構成単位、つまりユニットとしてとらえ、ユニットの位置づけに沿った形での海岸保全対策を講じることとしております。 ところで、この数年、外国船の座礁や保安林の大規模な崩壊などと、問題続きの宮崎港から佐土原町にかけての海岸でありますが、この海岸では、宮崎市区域をユニットの7番、佐土原町区域をユニットの6番と区分がなされております。そして、ユニット7では、保全に関する方針をアカウミガメへの配慮や海岸を利用した観光・リゾートづくりなどとし、ユニット6では、アカウミガメやサーフィン等の利用者への配慮などとしております。 さて、去る7月中旬のことでありました。私がある目的で佐土原町の石崎浜における保安林の災害復旧工事の現場を訪れてみたときの出来事であります。施工されている緩傾斜護岸のブロックの空洞部分にアカウミガメが体を突っ込み、もがいていたのであります。この件だけでも極めて重大なことと思われますが、この工法やブロックはユニット7区域においても採択されており、例えば有料道路の休憩場所にも同様の工事がなされているのであります。この場所では、既に砂浜がない、あるいはあっても離岸堤などの構造物が阻害するなどにより、ウミガメの上陸はあり得ず、このようなケースはないとは思うものの、ビーチに来た人がブロックの上を歩けば、滑りやすい上に、仮に空洞部分に足を突っ込めば間違いなく骨折、さらにまた緩傾斜護岸となれば、台風時や津波の際にはすぐに越波するなど極めて問題であります。ユニット6及びユニット7において、このブロックや工法を取り入れられたのはなぜなのか、環境森林部長及び土木部長の見解をお伺いいたします。 さらに、土木部長に伺います。県の海岸保全基本計画では、新海岸法の理念のもと、防護、環境、利用の3つの観点から、安全で美しく、生き生きとした海岸を目指して総合的な取り組みを行うとしておられますが、具体的にはどのように取り組んでおられるのか、お伺いいたします。 また、浸食の著しかった住吉海岸及び石崎浜については、今回の台風で大きな被害を受けたようでありますが、今後の浸食対策についてはどう取り組まれるおつもりか、環境森林部長、土木部長のお考えをお伺いいたします。 最後は、警察安全相談についてであります。 県民から寄せられる警察安全相談件数を見ますと、昨年1年間で1万8,286件にも上り、前年度と比べ6,845件の増加となっております。また、本年7月末時点での同件数は1万5,582件で、前年同期に比べ5,229件もの増加と大幅にふえてきております。そして、この傾向は全国的にも同様な傾向にあるとも聞いており、特に最近では架空請求相談、オレオレ詐欺相談、ヤミ金融相談、また時代を反映してのインターネットや携帯電話利用に係る相談などと、県民の平穏な生活に大きな不安感を与える相談が急増してきているようであります。 このような中、急増するこれらの相談に対応するためには、警察本部や県内全警察署に設置されている14カ所の警察安全相談所あるいは駐在所などの存在は、県民にとって最も身近な窓口であり、また県民が最も心強く思う大変貴重な窓口でもあると思うのであります。本来、警察安全相談業務は、県民生活の安全に関する相談に応じ、防犯的見地、その他の警察目的から、個々の相談事案の解決、または解決への支援をする活動であり、まさに警察本来の業務であると考えているところであります。しかしながら、警察が受理する相談の中には、本来であれば、警察が対応するよりも、権限や責任を有する他の機関が受理すべき相談も数多く含まれているようでもあります。このような状況を思うとき、私は、こうした急増する相談需要のすべてに対応することにより、当然その対応に当たる警察官は拘束されることとなり、その分、本来の警察捜査や警察がやるべき外部活動に、少なからず支障を及ぼすのではないかと懸念しているところでもあります。 ところで、警察では、この議会に相談業務に係る補正予算として524万3,000円を計上されておりますが、現在の相談受理体制はどのようになっており、今後ますます増加する多種多様な相談にどのように対応されていかれるのか、その体制の説明とあわせ、警察本部長にお伺いいたします。 以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(安藤忠恕君) 〔登壇〕 坂口議員の御質問にお答えいたします。 まず、これまでの成果等の認識と今後の県政運営についてであります。これまでの取り組みについてでございますが、県民主役の県政の実現を図るため、就任直後に「県民の声」を設置いたしまして、1,500件を超える御意見等をお寄せいただいているのを初め、子育て中の女性の方々などとの「知事と気軽にトーク」の実施など、県内各地に出向き、県民の皆様の生の声を直接伺うように努めたところでございます。あわせて、県民の皆様との情報共有を進めるため、知事交際費の公開や、知る権利の尊重を明記した情報公開条例の改正、定例記者会見の回数をふやすなどにも取り組みました。また、県民主役という私の基本理念を徹底するため、全職員の名札着用を実施したほか、管理者研修の場など職員と直接対話するさまざまな機会をつくり、意識の醸成にも努めたところであります。 施策の推進につきましては、公約全体の取り組みの工程を明らかにしました県政推進プランを1月に公表したのを初め、継続的な雇用の場の維持創出を図るための雇用・産業再生指針、今後の県政運営の指針となる総合長期計画長期ビジョンも7月に策定いたしました。あわせて、これら施策の基盤となる財政につきましても、極めて厳しい状況にありましたことから、昨年末に財政改革推進計画を策定し、私の給料、退職金の減額を初め、職員の人件費の抑制、職員数の削減、公社の改革など行財政改革に取り組んだところであります。さらに、新たな行政課題や多様化する県民ニーズに的確に対応するため、総合政策本部や環境森林部、危機管理局を設置するなど、大幅な組織改正をこの4月に行いました。このほか、農林水産物の販路拡大や企業誘致など、お話にございましたように、トップセールスにも取り組んだところでございます。現場の貴重な情報に接することができ、富士通日立プラズマディスプレイ株式会社の工場増設を初め、企業誘致も堅調に推進するなど、確かな手ごたえを感じておりますので、さらに積極的に展開していきたいと存じます。 以上、この1年の取り組みの一端を申し述べましたが、県議会を初め、県民の皆様の御理解と御協力のおかげをもちまして、私の目指す県政の大方の方向づけ、基礎固めはできたのではないかと考えております。 少子・人口減社会の到来など社会経済情勢の激変から、地方につきましても、分権型社会の構築を目指して、市町村合併や三位一体改革などが進められております。重要な時期に県政のかじ取りを託された責任の重さを、改めて痛感しているところでありますが、このようなときにこそ、将来をしっかり見据えながら、宮崎の個性を十二分に生かした地域経営を行うことにより、日本、そして世界の中で確固たる存在感を示す、「人と自然にやさしい『元気のいいみやざき』」を築いていかなければならないと考えております。高齢社会の到来や産業構造の変化への対応、高速道路の整備など、課題は山積しておりますが、これからも知事に就任したときの初心、緊張感を常に持ちながら、県民主役の県政を全力で推進してまいりたいと考えておりますので、県議会の皆様の一層の御理解と御協力を賜りますようお願いいたします。 次に、告発に関する御質問でございます。この件に関しましては、県議会の皆様を初め、県民の皆様に御心配をおかけしておりますことを、重ねて心からおわび申し上げます。現時点で説明できることがあればとのお尋ねでございます。さきの県議会におきまして、告発した相手方を告訴する準備に着手したと申し上げましたが、去る6月25日に、強要罪及び公職選挙法違反で宮崎地方検察庁に対し告訴を行ったところであります。このほか、現時点で申し上げられることはありませんが、今後、しかるべき場面において、可能な限りの説明をいたしたいと思っておりますので、御理解賜りたいと存じます。 次に、平成17年度の当初予算編成についてであります。御質問にもありましたように、国の平成17年度予算の概算要求方針によりますと、歳出の実質的な前年度水準以下への抑制など、引き続き厳しい内容となっております。また、地方交付税におきましても、大幅な削減がなされた今年度と同規模の概算要求であり、国の財政当局はさらに削減を図りたい意向を示すなど、大変厳しい状況が予想されております。このため、平成17年度当初予算編成に当たりましては、昨年策定いたしました財政改革推進計画に基づき、将来にわたって健全性が持続できる財政構造への転換に向けた取り組みを着実に推進する必要があるものと考えております。一方で、景気・雇用対策や少子・高齢化対策など多くの県政の課題がありますので、選択と集中の理念のもと、優先度の高い施策や事業に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、いわゆる県民生活関連枠についてでございます。平成16年度当初予算における投資的経費につきましては、財政改革推進計画に基づき、縮減・重点化を図る一方、雇用や地域経済への影響についても最大限配慮し、県民生活に身近な社会資本の整備を図る観点などから、県民生活関連枠を設けたところであります。平成17年度当初予算における取り扱いにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、大変厳しい財政状況が想定されますことから、どれだけの財源が確保でき、同様の措置が可能なのかどうか、ただいま坂口議員より御指摘のありました点も踏まえまして、今後、予算編成の過程の中で検討させていただきたいと考えております。 次に、三位一体改革についてであります。去る6月4日に閣議決定されました、いわゆる「骨太の方針2004」に基づき、政府から地方へ求められておりました、約3兆円の税源移譲に見合う国庫補助負担金改革の具体案につきまして、国と地方の協議機関の設置や確実な財源保障など一定条件を前提に、地方六団体として総額約3兆2,000億の改革案を取りまとめ、8月24日に小泉首相へ提出されたところであります。 私は、8月18日から19日にかけまして開催されました全国知事会におきまして、地方分権の推進の趣旨から、国庫補助負担金改革を進め、地方への税財源移譲が図られますと、地方の裁量により、効率的でよりきめ細かな行政サービスの提供が可能となりますので、所要の財源確保が確実になされることを前提に、この改革案に賛意を表した次第であります。 また、三位一体改革道路財源確保のあり方についてでございますが、改革案の前提条件としまして、その設置を求めました国と地方の協議会における協議事項として、国と地方の役割を明確にし、その役割に応じた財源の配分と負担という意味で、国直轄事業負担金廃止についても協議していくべきである旨、提案させていただきました。これは、今回の知事会におきまして、公共事業関係国庫補助負担金を移譲対象補助金リストには載せるべきではないという本県の意見を、書面で知事会事務局あて提出したところであります。しかし、仮に移譲対象とする場合には、公共事業はその財源が建設国債であることから税源移譲は難しいという議論があるため、従来から全国知事会等とともに要望しております国直轄事業負担金相当額との相殺を限度として、今後、協議会の場で協議してはどうかという趣旨から提案したものであります。したがいまして、国直轄事業自体に対して決して否定的な考えを表明したわけではなく、それどころか、今後とも、お話ございましたように、社会資本整備の必要な本県にとりましては、極めて重要な事業であると認識しているところであります。 今後とも、三位一体改革につきましては、地方六団体等と連携し、確実な税源移譲と地方交付税等による財源保障がしっかりとなされ、真の地方分権が確立されるよう、国に対し強く求めてまいりたいと考えております。 次に、今後の道路整備のあり方についてであります。現在、三位一体改革の中で、国庫補助負担金の削減、直轄事業負担金の廃止が議論されておりますが、先ほども申し上げましたように、税源移譲や交付税による財源保障が確実に行われるなどの前提条件が整わなければ、財政基盤が脆弱で、高速道路を初めとする社会資本の整備がおくれている本県におきましては、現行の直轄事業や国庫補助事業等の制度により道路等の整備を行うべきであると考えております。 このようなことから、本県におきましては、県政の最重要課題であります東九州自動車道を初めとする高速道路の整備促進を図るため、財政改革推進計画に基づく厳しい予算編成の中ではありますが、高速道路の新直轄区間、国道10号延岡道路等の直轄事業について、所要の負担金の予算を措置するとともに、一日も早い供用を国に強く要望しているところでございまして、事業推進における私の姿勢は、いささかも変わらないものでございます。また、高速道路と一体となって住民生活を支える国・県道の整備につきましては、事業の重点化を図りながら、地域の実情に応じた効率的かつ効果的な道路整備に努めてまいりたいと存じます。 次に、今回の台風災害に際しての復旧や支援等についてであります。今回の台風災害につきましては、御質問の中でもございましたように、平成9年の台風19号による災害以来の大きな被害となっており、台風16号におきましては、とうとい人命も失われております。私も直接、現場を視察させていただきましたが、被害の状況と市町村や地元の皆様方による懸命な復旧への取り組みを目の当たりにしまして、県としましても、復旧と支援に全力を挙げなくてはならないと強く思ったところであります。現在もなお、詳細な被害調査を実施しておりますが、緊急を要するものにつきましては、既に復旧工事等に着手しております。また、高岡町と椎葉村につきましては、災害救助法の適用を決定したところであります。今後とも、県を挙げて一日でも早く不安のない日常生活を送ることができますよう、復旧及び各般の支援に取り組んでまいりますとともに、国による支援を強く要請してまいりたいと存じます。 次に、健康づくりの推進に関するお尋ねでございます。私は、知事に就任以来、元気のいいみやざきづくりを目指しており、県民一人一人の健康づくりは大変重要な課題であると認識しております。健康づくりには、運動、栄養、休養などの生活習慣の改善が重要でありますが、幸い本県は、温暖な気候や豊かな自然、安全で安心な食に恵まれ、多くのスポーツ施設も有しておりますので、これらの資源を活用しながら、県民全体で生活習慣の改善に取り組んでいくことができると考えております。 このため「健康みやざき行動計画21」では、9つの分野で生活習慣の改善目標を掲げ、これまでに食生活改善推進員や健康運動指導士の養成、健康づくりマニュアルの作成などを進めておりますが、その成果を客観的に評価するため、本年度、調査を実施することとしております。今後は、その結果を踏まえ、平成22年度の目標達成に向け、必要な重点対策等について検討するなど、県民の皆様の健康づくりの一層の推進を図ってまいりたいと考えております。 次に、県立病院事業の経営改善に向けての取り組みについてでございます。県立病院事業は、診療報酬のマイナス改定や患者数の減少等に伴う診療収入の減少、延岡・日南病院の改築に伴う減価償却費の増加などにより、大変厳しい経営状況にございます。このため、今後とも持続的に県民の皆さんに良質で高度な医療を提供していくためには、経営の改善が急務であると考え、副知事をトップに各病院長もメンバーに加わった「県立病院のあり方に関する検討委員会」を設置したところであります。この検討委員会では、全国的に導入が進んでおります地方公営企業法の全部適用のほか、公設民営方式、さらには本年4月に新設されました地方独立行政法人の方式などを含め、自立的で企業性の発揮できる経営形態について検討することにしております。また、あわせて診療機能の見直し等についても検討を行い、県民のニーズに的確に対応した医療の提供に努めてまいりたいと考えております。 なお、検討結果につきましては、本年度末を目途に取りまとめ、宮崎県医療審議会での意見聴取など県民の皆さんの意見もお聞きした上で、できるだけ早期に、県としての方向づけを行ってまいりたいと考えております。 次に、新しい環境保全条例についてであります。本県は幸いにも、温暖な気候、豊かな森林、きれいな水などの自然環境に恵まれております。この恵まれた環境という資源をしっかりと守り、また最大限に生かしながら、健康立県、環境立県の取り組みを通じまして、「人と自然にやさしい『元気のいいみやざき』」の実現を目指してまいりたいと考えております。 現在、検討を進めている環境保全条例は、このような考え方を具体化するものの一つとして、これまでの公害防止の考え方に加え、地球温暖化防止や廃棄物対策、生活排水対策、さらには化学物質対策や光害のような新しい環境問題まで、時代の要請に幅広く対応できるものとしたいと考えております。また、事業者のみならず、県民一人一人が日ごろから環境に配慮して行動できるよう、事業者、県民、行政、それぞれの役割と責務を明確にするなど、県民一体となって、住みよい生活環境づくりを推進したいと考えております。県といたしましては、環境審議会から答申をいただいた内容に基づき、来年2月県議会での提出を目指しまして、条例案の作成を進めていきたいと考えております。 次に、林業公社改革の基本的な考え方についてであります。御質問にございましたように、林業公社は、木材価格が長期に低迷する中で極めて厳しい経営状況にございます。将来すべての契約が終了した時点で、多額の債務が残ることも懸念されております。このため県では、本年4月に林業公社改革会議を設置し、県民負担を最小限にすることを基本に、すべての選択肢を視野に入れて、外部の有識者の意見も聞きながら検討を重ねてまいりました。その結果、平成17年度から19年度までを改革集中実施期間として設定し、現行契約の見直し、債務累増の抑止、運営経費の縮減などを柱に、公社の経営改革を推進していくこととしたところです。また、組織のあり方につきましては、改革の実施状況や経済情勢等を踏まえた上で、平成20年度中に県営林への移行、他団体との統合、公社としての存続のいずれかを選択したいと考えております。さらに、国等に対しましても、公社改革への支援措置を働きかけてまいります。 なお、公社営林は、県土の保全など森林の多面的機能の持続的な発揮にも大きな役割を果たしていることから、今後とも適切に管理してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。 終わりに、水産業に対する認識と今後の取り組みについてであります。本県水産業につきましては、カツオ・マグロ漁業やまき網漁業を初めとして、全国有数の生産量、生産額を誇り、地域経済を担う重要な産業でございます。また、水産物は、我々日本人になじみの深い食材でございまして、健康で豊かな食生活に貢献しております。しかしながら、お話ございましたように、水産業を取り巻く現状は、御指摘の国際間の問題を初め、資源の減少や魚価の低迷、就業者の減少、高齢化など大変厳しい状況にございます。このため今後は、水揚げ量の増大に頼るのみではなく、限られた資源を上手に利用しながら、消費者ニーズに応じた生産、供給を図る必要があると考えております。 県といたしましては、衛生的に管理された水産物を食卓まで提供する体制づくりなど、たゆみなく挑戦する水産業が展開される社会を将来像としまして、現在、新たな水産業・漁村振興長期計画の策定に取り組み、この中で、振興策につきましても検討を進めているところであります。今後とも、元気のいい宮崎を担う水産業づくりに努めてまいりたいと考えております。以上でございます。〔降壇〕 ◎総務部長(山本圭吾君) 〔登壇〕 お答えいたします。 初めに、本県の中期財政見通しについてでございます。本県の中期財政見通しにつきましては、昨年の公表以降に国から示されました地方財政計画、あるいは三位一体改革の動き等を見てみますと、今後、見直しを行う必要があるというふうに考えております。今後、地方税を含みます三位一体改革の全体像が明らかになってまいりますので、その動向や来年度の地方財政計画等を見きわめました上で、中期財政見通しの見直しを行い、できるだけ早い時期に公表していきたいというふうに考えているところでございます。 次に、防災対策に係る御質問でございます。初めに、情報伝達についてでございます。県から市町村への情報伝達につきましては、地上系と衛星系の2系統を使用した防災行政無線網が整備されております。また、雨量や河川水位などの気象情報につきましては、専用の端末を通じてリアルタイムで市町村に伝達をいたしております。また、地域の住民の皆さんに対しましては、県内の29の市町村におきまして、住民向けの防災行政無線が整備されております。これを使って、大型のスピーカーや各戸に設置された戸別受信機によりまして、情報の伝達が行われております。そのほか、すべての市町村におきまして、自治会等によります戸別の連絡や、市町村、消防団の車両等によります巡回の広報が行われております。また、テレビ・ラジオ局などと緊急放送の協定を結んでおりまして、協力を仰ぐことにいたしております。今後、市町村において住民向けの防災行政無線設備の整備を指導するとともに、市町村との連携を図りながら、より確実、迅速な情報伝達の方法等について検討してまいりたいと考えております。 次に、災害時要援護者の対策の現状等についてでございます。高齢者の皆さんなどの災害時要援護者につきましては、市町村の地域防災計画において、速やかに避難できるよう配慮することとされております。現在、県内におきましては、宮崎市消防局で管内の1市6町の災害時要援護者を登録いたしまして、救助活動に活用しております。また、日向市におきましては、自治会単位で、被害が予想される地域や、避難所、避難路等を記した地図、いわゆるハザードマップの作成に取り組んでおりまして、その中で高齢者等の災害時要援護者の把握などが行われております。今回の災害を通じまして、災害時要援護者に対します対策の重要性を再認識したところでございます。今後、市町村と連携しながら、早急に災害時要援護者の実態把握と支援体制づくりに努めてまいりたいと考えております。 次に、災害時の避難所についてでございます。避難所につきましては、市町村におきまして、風水害、地震、津波等を想定した安全の確保を第一にした避難所の指定が行われております。しかしながら、四国地方におきまして、避難した人が避難所で被災したという事例も発生しておりますので、全市町村に対しまして、避難所及び避難路の見直しや安全性の再確認を要請したところでございます。今後とも、今回の災害を教訓に、市町村と連携を図りながら、安全性の確保を基本に、総合的な観点から十分な防災対策に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。〔降壇〕 ◎福祉保健部長(中原健次君) 〔登壇〕 お答えいたします。 初めに、脳卒中等を発症した後の支援体制についてでございます。脳卒中は、寝たきりを引き起こす要因の大きな一つとなっており、脳卒中を起こした後も、寝たきりを予防し、住みなれた地域で生活するための支援体制の整備が大変重要と考えております。このため県では、本年7月から脳卒中登録事業を開始し、脳卒中等の発症状況の把握に努めますとともに、地域でのリハビリテーション体制の整備を図るため、平成13年度から16年度にかけ、二次医療圏に1カ所ずつ地域リハビリテーション広域支援センターの指定を行ったところであります。今後は、広域支援センターを核にリハビリテーション実施機関への技術支援等に取り組むとともに、脳卒中登録事業で得られた地域ごとの発症状況などの情報を関係機関へ提供し、福祉保健サービスの一層の充実に努めるなど、在宅で生き生きと暮らすための支援体制の整備に努めてまいりたいと考えております。 次に、県立病院の医療機能の一層の向上についてであります。県では今般、「県立病院のあり方に関する検討委員会」を設置いたしましたが、委員会では、経営形態の見直しなど経営改善に関する検討とともに、診療機能の見直しについても検討を行うこととしております。この診療機能の見直しについては、各県立病院の置かれている地域によって医療事情が異なる点も踏まえ、民間医療機関との連携や機能分担を推進する視点に立って、例えば、がんや心疾患、脳血管疾患等に対する高度医療や救急医療などの一層の充実について検討してまいりたいと考えております。 また、検討に際しましては、外部の医療コンサルタントによる診療機能の評価、見直しを行いますとともに、財団法人日本医療機能評価機構が全国規模で実施しております病院機能評価を定期的に受けるなど、客観的な視点からの県立病院の医療の質のチェックや向上のための取り組みも進めてまいりたいと考えております。 次に、不採算医療に対する繰入金の制度上の取り扱いについてであります。救急医療や高度医療など、一般の民間医療機関では対応が難しい、いわゆる不採算医療につきましては、地方公営企業法に基づき、その診療収入の不足額について、毎年度、一般会計が負担することになっております。 次に、全国都道府県立病院の黒字病院と赤字病院との相違点についてであります。病院はそれぞれ規模や立地条件などが異なりますので、単純に比較するのは難しいと考えておりますが、全国のデータから見ますと、黒字病院は赤字病院に比べ、病床利用率や患者1人当たりの診療収入が高く、一方で、医業収益に対する職員給与費や減価償却費の割合が低いというような特徴があるようでございます。 次に、県立富養園の機能整備に関する一連のお尋ねについてであります。 まず、新施設における機能及び立地場所についてでありますが、県では、県立の中核精神病院が担うべき機能や立地条件について専門的見地から御意見をいただくため、宮崎県精神保健福祉審議会に諮問し、その答申を踏まえ、基本方針を決定したところであります。 新施設の担うべき機能につきましては、民間精神医療機関では対応の困難な高度医療や政策医療とし、具体的には、急性期治療、難治性疾患治療、児童思春期治療、身体合併症治療及び高次救急医療の5つの機能を担うこととしたところであります。また、立地場所につきましては、5つの機能を十分発揮するとともに、全県下からの患者さんや家族の方の交通の利便性を確保するため、県立宮崎病院に併設することとしたところであります。県立宮崎病院の高度な医療機能を活用することで、精神疾患に関する全県レベルの中核病院としての役割を、より一層果たすことができるものと考えております。 次に、今後の検討内容や整備の時期についてであります。県では今後、基本方針に基づきまして、民間精神医療機関との連携や機能分担を踏まえながら、5つの機能を発揮するために必要な病棟や病床の規模、整備方法、運営方法等について、具体的に検討を進めることにしております。また、その際、整備後の収支予測も行うなど、県立病院事業の厳しい経営状況を踏まえ、経営の健全性の確保にも十分配慮したいと考えております。 なお、具体的な整備の時期につきましては、これらの検討を進め成案を得た時点で、本県の財政状況等も踏まえながら、改めて判断することになると考えております。 次に、新施設の機能の対象外となる患者さんへの対応についてであります。今回の新しい施設は、精神疾患に関する県立の中核病院であります。このため、新施設の担う機能は、民間の精神医療機関との役割分担を明確化しながら、民間では対応困難な機能や本県の精神科医療に不足する機能としたところであります。したがいまして、これらの機能の対象とならない症状の軽い患者さんや慢性期の患者さん等につきましては、民間の精神医療機関で対応していただくことになると考えております。このようなことから、今回の施設整備にあわせて、これまで以上に民間精神医療機関との連携、機能分担が図られるようなシステムを構築してまいりたいと考えております。 最後に、富養園に入院されている患者さんへの対応についてであります。現在、富養園に入院されている患者さんには、その病状から見て、新たに整備する施設の対象となる方もいらっしゃいますし、社会復帰という観点から、在宅への移行や社会復帰施設等への入所を勧めた方がよいという方もおられるところであります。今後、新施設が整備されるまでには一定の期間を要しますので、その間に、患者さんの病状等を十分踏まえながら、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。 なお、現代の精神科医療は入院中心から地域生活中心へと大きく変化してきており、精神障害者の早期治療と社会復帰の促進が大変重要となってきております。富養園では、そのような考え方に立って、これまでも入院患者の早期退院に取り組んできたところでありますが、今回の施設整備を契機に、今後さらに積極的に取り組んでいく必要があると思っております。以上でございます。〔降壇〕
    ◎環境森林部長(城土裕君) 〔登壇〕 お答えをいたします。 森林・林業に関する一連のお尋ねについてであります。 まず、県民参加の森づくりの取り組みについてであります。近年、林業経営環境の悪化等によりまして、管理の行き届かない森林が増加傾向にありますことから、多くの県民の方々に森林や林業に対する関心を持っていただき、森林をみんなで支え合う社会づくりが必要であるというふうに考えております。このため県では、県民の参加と連携による、恵み豊かで美しい森づくりを目指して、お話にございましたように平成13年に、「みやざき悠久の森づくり」県民憲章を制定し、この構想の具体化に向けた事業に取り組んできたところでございます。 具体的には、県民参加の森づくりの中核となりますボランティア団体等の育成強化や、地域住民等も含めた里山の自主的な管理、保全活動を支援しております。その結果、県に届け出のありました森づくりに関しますボランティア団体数につきましては37となってございまして、その会員数は約4万5,000人に達しており、これまでのアンケート調査によりますと、平成14年度の活動実績といたしましては、植栽や下刈りなど約60ヘクタールとなっております。また、次代を担う子供たちに森林や緑の大切さを理解していただくため、教職員を対象とした森林環境教育の指導者養成や、フィールドとしての「遊学の森」の整備を進めているところでございます。 今後は、これらの施策に加えまして、市町村や関係機関とも連携をしながら、近年の環境分野への貢献に対します関心の高まりを背景とした企業や事業者などが参画した森づくりや、森林の恩恵をひとしく受けている県民が森づくりに参加していただくための新たな方策等の検討を通じまして、県民参加の森づくりを推進してまいりたいというふうに考えております。 次に、分収林を含めました伐採面積増加に対する対策でございます。お話にございましたように、戦後の拡大造林施策の一環といたしまして推進をしてきました分収林を含め、人工林がここ数年のうちに集中して伐採時期を迎えることから、一時期に大量の伐採が見込まれます。したがいまして、その結果、木材価格の下落や森林の公益的機能の低下など、さまざまな問題の発生が懸念をされているところでございます。 このようなことから県では、今後、分収契約期間の延長による長伐期施業への移行、抜き切りや高齢級間伐の推進によります一斉皆伐の見直し、公益的機能の高い森林の公有化によります伐採の抑制などの対策を積極的に進めまして、分収林を含めた民有林の伐採量の平準化を図りますとともに、増加が見込まれます木材生産量に対応すべく、内装材や集成材、合板の材料としての活用など、県産材のより一層の需要拡大に努めてまいりたいというふうに考えております。 次に、林業公社改革の具体的な対策についてのお尋ねでございます。まず、債務の軽減についてであります。債務累増の原因の一つでございます高金利の借入金につきましては、伐採林齢を延長する長伐期施業への転換を図りまして、低利な施業転換資金への借りかえを進めることとしております。また、これまで市中銀行から借り入れておりました運営資金につきましては、県の無利子貸付などで対応するなど、利息の大幅な軽減を図りたいと考えております。なお、本年度から、保育事業等のための新たな借り入れは中止をし、事業費及び一般管理費につきましては、主伐等による自己収入で賄うこととしたところでもございます。 次に、分収林契約の変更についてであります。公社営林を有します市町村に対しましては、分収割合の見直しを初め、水源林や災害防止林など公益上重要な森林の買い取り等を要請するとともに、一般の土地所有者に対しましては、長伐期施業への転換に伴います契約期間の延長等についての協力を要請していきたいというふうに考えております。また、公社営林のスリム化を図るため、不採算林や若齢林につきましても、相手方の協力を得まして、契約の解除を進めることとしております。今後は、これらの改革案を実効あるものとするため、県、公社一体となりまして、契約者はもとより、関係市町村等への十分な説明を行い、理解と協力を得ながら、改革を着実に進めてまいりたいというふうに考えております。 次に、住吉海岸において緩傾斜護岸工を取り入れた理由についてでございます。海岸保安林の復旧整備に当たりましては、海岸の状況はもとより、海浜の利用や自然環境等を十分踏まえ、工法を決定してきたところでございます。これまで選定をしてまいりました緩傾斜護岸工につきましては、他の工法に比べますと、海岸への出入りがしやすいこと、波の影響が小さくできることなどの利点を備えた工法と判断しているところでございまして、特に平成15年に被災をいたしました石崎浜海岸の復旧整備に当たりましては、その立地条件によって海浜の利用者も多いことから、引き続き緩傾斜護岸工を採用したところでございます。 最後に、今後の住吉海岸の浸食対策についてでございます。昨今の台風被害の状況を見ますと、海岸浸食の防止には、護岸だけではなく、海中を含めた総合的な対策が必要ではないかというふうに感じているところでございます。このため今後とも、土木部を初めとする他部局との連携をさらに図り、地元の意見も伺いながら、必要に応じて松から他の樹種への転換などの検討を行い、海浜環境を含めた保安林の保全を初めとする浸食防止に取り組んでまいりたいというふうに考えております。以上であります。〔降壇〕 ◎農政水産部長(田尻徳明君) 〔登壇〕 お答えいたします。 まず、農業改良助長法の一部改正についてであります。今回の法改正は、農業者の高度で多様なニーズに対応し、都道府県の農業の実態に応じた効率的な普及事業を展開することを目的として行われておりまして、大きく3点が変更されております。1点目は、普及職員の一元化であります。これまで、専門技術員と改良普及員の2種類の普及職員を配置してまいりましたけれども、今後は、専門技術員並みの高度な技術や知識を持って、直接、農業者の指導や地域農業のコーディネートを担う普及指導員に一元化することとなっております。次に、地域農業改良普及センターの必置規制の廃止であります。これまで都道府県は、普及センターを必ず設置することとされておりましたけれども、今後は、都道府県の状況に応じた形で設置することができることとされております。また、普及職員に支給される普及手当の上限につきましても、都道府県の実情に応じて決定することができることとされております。この改正法の実施は、平成17年4月1日からとなっております。 次に、本県の農業改良普及事業についてであります。農業改良普及事業のあるべき姿を明確にするため、農業・農村の第一線で活動している農業者、営農指導、経営指導等に取り組んでいる関係機関の職員で構成いたしております「宮崎県農業改良普及事業在り方検討会」、これを本年6月に設置いたしました。現在までに3回の会合を行い、物づくりの視点から、産地戦略の構築や新技術・新品目の導入、それから、人づくりの視点から、青年農業者の育成に加え、担い手の多様化に対応した経営面、技術面の指導の充実、さらに、地域づくりの視点から、新しい地域営農システムとしての集落営農の推進などを中間論点整理として取りまとめております。今後、パブリックコメントや地域段階での意見交換を踏まえ、新しい普及事業のあり方や普及指導員の資質等について検討を行ってまいりたいというふうに考えております。 次に、今後のみやざきブランド推進対策の展開方向についてであります。現在、県では、みやざきブランド推進対策の一環といたしまして、情熱みやざきフェアの開催や、イベント等における知事のトップセールス活動を初めといたしまして、県総合農業試験場とJA宮崎経済連農産物検査センターとの連携によりまして、分析農薬数を200種類に拡大し、県内で流通している農薬についてはほぼ分析可能とした残留農薬検査体制を整備いたしました。このほか、アントシアニン類など20種類の機能性成分についての本格的な分析等を実施いたしております。 今後は、昨年、全国に向け発信した「情熱みやざき産地とりくみ宣言」を定着させるため、首都圏を中心にしたテレビコマーシャルの放映や、報道関係に対するパブリシティー対策を実施するとともに、さらに60種類の農薬分析の開発を行うなど、残留農薬検査体制の充実強化を行ってまいりたいと思っております。また、農産物の機能性成分を増加させる栽培技術や、機能性成分の多い品種の研究の強化等による、健康を切り口にした商品ブランドの開発などを強力に推進してまいりたいと考えております。 これらの取り組みに加え、商品ブランド認証制度を中心にした特徴ある商品づくりや、トレーサビリティーシステムの構築等による信頼される産地づくり等を、関係機関・団体一体となって進めることにより、みやざきブランドの一層の確立に努めてまいりたいと存じます。 次に、トマト黄化葉巻病の原因と対応策についてであります。本病は、ウイルスを保毒したシルバーリーフコナジラミ、この虫は平成元年に我が国に侵入してきたと言われております白い粉をまとった虫でありますが、この虫がトマトに接触することにより発病するものであり、一たん発病すると治療方法は非常に難しいものがございます。このため、保毒したコナジラミをトマトに接触させないことが防除対策のポイントであり、具体的には、農薬散布による徹底防除、防虫ネットによる施設内への侵入及び拡散の防止、発病したトマトの埋設処分、栽培地周辺の除草など、地域ぐるみで防除対策に取り組むことが重要であります。 県では、本病の蔓延防止を図るため、生産者や一般県民に対し、情報提供やチラシ等の配布によりまして、防除対策の周知徹底に取り組むとともに、農薬費や防虫ネットの設置等に対する助成を行っているところであります。今後とも、関係機関・団体等と連携を図りながら、防除対策に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 次に、水産物の付加価値向上の取り組みについてであります。県ではこれまで、漁業関係者みずからが行うブランド品の開発やPRのほか、消費者ニーズに対応した衛生的な荷さばき施設の整備などに支援を行ってまいりました。さらに、水産試験場におきましては、水産物の鮮度保持技術、さらに加工品の開発などに取り組んできたところであります。今後とも、関係者との連携を図りながら、水産加工品も含めた、さらなるブランド品の開発や直販体制の整備に努めるとともに、安全・安心な水産物の供給を通して、付加価値の向上、ひいては漁家所得の向上に努めてまいりたいというふうに考えております。 最後に、沿岸漁業振興のための取り組みについてであります。県では、水産資源の増大を図るため、宮崎県栽培漁業協会と連携を図りながら、積極的にマダイ、ヒラメ等の種苗の生産、放流を行い、漁業者参画のもと栽培漁業を推進してまいりました。また、天然瀬礁の少ない日向灘で、資源の増殖や回遊魚の滞留を促進するために、漁業種類と海域条件に適したマダイ、ヒラメなどの増殖場、それから海底設置型魚礁や浮き魚礁等の魚礁漁場の造成を計画的に実施してまいりました。特に増殖場は、資源を増大させるために重要であると認識しておりまして、本年度から新たに、沿岸漁業の重要な資源でありますアオリイカの増殖場造成のための調査に取り組んでいるところであります。今後とも、栽培漁業を推進するとともに、関係漁業者と協議しながら増殖場や魚礁漁場を計画的に造成し、日向灘の資源増大に努めてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。〔降壇〕 ◎土木部長(鈴木和俊君) 〔登壇〕 お答えいたします。 まず、土砂災害に対する情報提供についてであります。土砂災害対策につきましては、砂防ダムなどの設置を進めるとともに、危険箇所の周知、防災知識の普及啓発を行うなど、ハード・ソフト両面から積極的に取り組んでいるところであります。県におきましては、土砂災害に対する防災体制の強化と市町村の警戒避難活動を支援するため、総合河川・砂防情報システムの整備を進めておりまして、現在、県内124観測所の雨量情報を提供しているところであります。さらに、土砂災害を予測するための情報につきましては、県内を20程度のブロックに分け、警戒や避難の基準となる雨量を定めるなど、市町村が避難勧告などを出す際の目安として活用できるよう、検討を行っているところであります。今後とも、土砂災害から人命を守るため、早期避難につながる情報提供につきまして、関係機関とも連携しながら、さらなる充実に努めてまいりたいと考えております。 次に、海岸保全対策についての一連のお尋ねであります。 まず、住吉海岸の緩傾斜護岸工法などについてであります。当海岸につきましては、昭和57年度から侵食対策事業に取り組んできたところであります。その工法の選定に当たりましては、直立堤や緩傾斜護岸などが考えられますが、当時、当海岸はまだ砂浜がかなり存在していたことや、海岸の景観との調和、海浜へのアクセスなどを総合的に勘案して緩傾斜護岸工法を、また使用しておりますコンクリートブロックにつきましては、消波効果や堆砂効果が期待できるものとして採用したところであります。しかしながら、当海岸は近年、浸食が著しいため、砂浜の保全やアカウミガメの上陸などの観点から、現在、学識経験者などから成る「住吉海岸技術検討委員会」の中で、工法の見直しを検討しているところであります。 次に、海岸保全基本計画に基づく取り組みについてであります。本県では、国の定めた海岸保全基本方針に基づきまして、地域の方々や学識経験者等の意見を踏まえ、今後の海岸保全の方向性を示した日向灘沿岸海岸保全基本計画を策定したところであります。この基本計画に基づき、災害から生命財産、国土を守る海岸施設などの整備、アカウミガメなど動植物の生息・生育環境の保全、海水浴やマリンスポーツの利用の確保などの調和を図りながら、それぞれの地域の特性を生かした海岸の保全整備に取り組むこととしております。海岸保全対策の実施に当たりましては、海岸関係行政連絡協議会を通じまして、事業の進め方や整備手法について、港湾、漁港など各管理者相互の連携調整を図るとともに、地元関係者や海岸利用者などの意見も十分お聞きしながら、宮崎らしい海岸の保全を目指して取り組んでまいりたいと考えております。 最後に、住吉海岸の浸食対策についてであります。砂浜の浸食の著しくなった宮崎港北側からシーガイアインターチェンジ付近までの2キロメートル区間につきまして、平成10年度から離岸堤と人工的に砂を供給する養浜工の整備を進めているところであります。また、ことしの台風6号などの影響を受け、浸食が著しく進んだ石崎浜荘前から南側約1.2キロメートルの区間の対策につきましても、技術検討委員会の中で、環境や利用を考えた工法の提言を受けたところであります。今後、保安林の浸食対策につきましては環境森林部で、砂浜の保全につきましては土木部で対応することとしまして、十分な連携を図ることはもちろんのこと、地元の意見も十分にお聞きしながら、早急に整備ができるよう、国と協議を進めているところでございます。 さらに、住吉海岸を含む大淀川から一ツ瀬川までの海岸につきましては、技術検討委員会の中で、海岸浸食の現状や河川からの土砂供給及び波の状況の把握と解析などを行いまして、抜本的な対策工法を検討しているところでございます。以上でございます。〔降壇〕 ◎警察本部長(清水勇君) 〔登壇〕 お答えします。 警察安全相談の受理体制と今後の対応についてであります。まず、現在の相談受理体制につきましては、相談専門の警察官を、警察本部に2名、警察署に1名から2名の合計20名を配置しております。また、相談専門の非常勤職員を、警察本部に3名、相談業務の多い県内主要の5警察署に6名の合計9名を配置しております。 今後の対応につきましては、以下の3点により、万全を期していきたいと考えております。第1に、相談の中には、県や市町村等の機関・団体において、第一次的に受理すべき相談も多く含まれていることから、警察本部及び県下警察署単位に設置されております相談業務対策協議会のネットワーク網の充実及び受理窓口の周知徹底に努めるなど、連携を強化していきたいと考えております。 第2に、御指摘にありましたように、最近急増しております相談需要への的確な対応と、警察官の外部活動の強化を図る上からも、警察在職中に培った経験と専門的知識を有する警察OBの相談員の増員を検討してまいりたいと考えております。 第3に、ますます複雑多様化している相談内容に適正に対応していくためには、相談専門職員のみならず、すべての警察職員の相談対応能力の向上を図っていく必要があることから、研修会を開催するなどして、指導教養を行っていきたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◆(坂口博美議員) それぞれに答弁をいただいて、そうかなという点とか、もう少し詳しく知りたいなという点、たくさんあったんですけど、代表質問ということでもありますので、その大方は後、常任委員会の場なり、よりそれぞれ専門的に各議員にまた引き続きゆだねたいと思うんですが、時間がちょっと余りましたので、1~2再質をさせていただきたいと思うんです。 総務部長に、災害時の避難、これに関してちょっとお伺いしたいんですが、この前の台風の経験を生かしてという質問で、連絡体制、情報伝達体制なんですけれども、仕組み的には県、市町村、それから民間、あるいは関連機関、こういったもので役割分担で最終的には末端まで情報を伝達する仕組みかなと。それも精いっぱい機能をさせられたんかなという感じなんですけど、さらに研究すべきところを研究していくという答弁でもありましたので、迅速性、的確性というのはより重要ですから、幾ら研究を尽くしても尽くせないと思うんで、ぜひ精力的にいろんな反省等踏まえて研究をしていっていただきたいと思うんですけど、台風16号の方だったと思うんですけど、あのがんがんがんがん雨が降って風が吹いているときに、僕の町で住宅火災があったんです、台風のさなかに。 それからもう一つは、ここに今、台風の軌跡図、これは18号台風と思うんですが、軌跡図の入った地図があるんですけど、新潟県の山古志村、ここで震度4の地震が9月7日21時40分なんです。そのときの台風の位置と震源地の位置を見ると、台風が、大体なんですけど、北緯39度ぐらいですか、東経137度、震源地が北緯40度の東経140度で、これは暴風雨圏域内です。このときに地震が起こった。そんなことあるのかなと思っていたけど、災害のダブルあるいはトリプルというのは、現実に目の前で起こるんですね。そうなると、さて問題なんですけれども、例えば台風警戒なんかで消防団、警察あるいは他の関係の皆さんに出動命令がかかっておるときに、家が燃えたらだれが消すのか。それから、やはり台風のさなか、あるいは地震が起こった。避難場所で、安全が確保できるはずの近くの公園の指定場所に地震避難をしたけど、台風で物は飛んでくる、木は倒れるで、これらもやっぱりどうかなと。他県で避難所がやられ、被災を受けたというけど、これで万全かなと。なかなか難しい問題を、今度の台風と地震と火災というのは見せてくれたと思うんです。 ですから、ここらに今後どう取り組んでいかれるおつもりなのかお尋ねをして、もう一問なんですけど、壇上でも申しましたように、避難勧告を約6万7,000人ぐらいに出されて、地域によっては4%ぐらいしか避難していなかったという報道もあるんです。このことを一体どんなぐあいにとらえられて、今後どう対応されるおつもりか、あわせて2問お伺いをいたします。 ◎総務部長(山本圭吾君) 〔登壇〕 お答えいたします。 台風とその他の災害が重なった場合の対応でございますけれども、そのような場合につきましては、消防活動あるいは救助活動の制約、また二次災害の可能性も高まってまいります。したがいまして、それぞれの状況に応じた対応をする必要があると思いますけれども、なかなか現時点では、的確に対応するような対策は確立されていないと考えております。したがいまして、今後、人命尊重を第一に市町村と一緒に対応策を研究してまいりたいというふうに考えているところでございます。 また、避難勧告・指示があったにもかかわらず、十分従われなかったという問題につきましては、そういう情報を聞いているところでございますけれども、一たん災害が起こりました場合の被害につきましては、非常に重大なものが起こることが予想されるところでございます。したがいまして、そのようなことを十分県民の皆さんに理解していただけるように、市町村と一緒になって啓発に努めてまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。〔降壇〕 ◆(坂口博美議員) トリプル災害だの、避難の4%だの、無理難題言うなと思われるかもわからないんですけど、例えば避難勧告を出して、ほとんどの人がそれに反応を示さなかったということなんですけど、先ほど僕は、土木部長に土砂災害についてお尋ねしたんですが、僕が聞いたのは、何とかもっと詳しく正確に事前にキャッチして情報を流せないかという質問だったんです。山崩れ等の土石流なんかの危険性。ちょっと答弁聞いていて何かなとわからなかったんですけれども、こういうことを言いたかったんです。壇上でも言いましたように、まさかこの山が崩れるはずはなかったと、そんなことが偶然にも起こるんだなとか、例外的に起こるんだなというような感覚でいる人がたくさんなんです。そういった中で、埋まってしまって犠牲となって掘り出される人が結構いるんです。この人がもし、ちょっとした雨でその山が壊れたりというのは例外とか偶然でなくて、そこに必然的なものがあるんだということを知ったら、やっぱりそういう根拠に基づいて出された勧告なり指示には結構反応すると思うんです。 そういうことを申し上げたかったんですけど、実効雨量という雨の量なんですけど、実効雨量という考え方があります。どういうことかというと、これまで降った雨が地盤の中からしみ出していく、これを数字であらわす方程式があるんですけれども、時間とともに当然だんだん少なくなっていくんです。鹿児島県で計算された資料を持っているんですけど、わかりにくいと思うんですけど、こういうことなんです。今申し上げましたように、それまでに降った雨が地盤から抜けていく。水が少なくなっていくということなんですけど、例えば乾燥しているとき、地盤に水がないときに降った雨が半分の量に、土の中から半分の量逃げて半分残るまでにどれぐらいかかるかというと1.5半減なんです。1時間半かかったら、例えば1時間20ミリ降った雨が乾燥して、いきなり降った雨だったら1時間半後には10ミリ分しか残っておりませんよという1.5減です。1.5時間かかって半分。じゃ、ずっと降っていて、地下にまで水が浸透し切っていて、そこに雨が降ったときは、同じ半分になるのにどれぐらいかかるかというと、72時間減なんです。72時間かかってようやく半分になっていく。だから1.5時間と72時間の差がある。 これ、もう少しわかりやすく言いますと、例えば、ある時間に雨が降り出して、それまで天気だったのに降り出して、まず1時間目の降水量が、時間雨量が20ミリ、2時間目に30ミリ、3時間目に10ミリ、そして4時間目に例えば40ミリ、5時間目に50ミリ、そしてまた6時間目に20ミリというようなぐあいに―今の数字違っていたらごめんなさい―6時間で合計170ミリの雨が降ったとすると、いきなり降り出して、それまで天気だったところでは、6時間後で170ミリ降っているんですけど、6時間後にそこの土の中に含まれている水は約76から77ミリなんです。ずっと雨が降っていて、同じようにそこに6時間かけて170ミリの雨が降ったときに、そこに残る水というのは166ミリから167ミリ、ほとんど残っているんです。だから、ぼんと流し出してしまう。さっき言った実効雨量というのは、もっとわかりやすく言うと、土の中に残っていて、その土を横に押し出すエネルギーになる水、土を流し出す水、この量のことなんですけど、そういう仕組みというのは方程式があるんです。もちろん土の質が違うじゃないかといったら、これには地質学というのがあります。 よく思うんですけど、僕らの小さい町でも、しょっちゅう雨が降るところと降らないところというのは決まっているんです。これらも気象とかいろんなメカニズムとか、科学的な根拠があると思うんです。こんなものずっと踏んでいったら見えるじゃないですか。地盤の危ないところにはテレメーター、雨量計をたくさん置いていれば、どの雲がどこに動いているというスポット的な雨の動き、今何ぼ水が残っている、ここはどういう土質だ、そういう根拠に基づいて出した避難勧告なり指示なんですよということを知ったら、反応しますよ。どうせ当てになるかという方も。だから、そういうことをちゃんとしっかり取り組んでいって、そして、まさかと思った人が埋まっているようなところの掘り出し作業をしなくてもいいようにできないかという趣旨の質問だったんです。 これはそれだけを申し上げて、それから林務部長に再質問したいんですけど、とにかく木がたくさん太ってきたから、いきなり切らずに長伐期施業で市場の影響を極力抑えていこうと言われるんですけれども、今、1年間に我が国で消費される木材量、約1億立米なんです。これはもちろん、チップとかそういう材料まで含めて1億立米。その中では大体8,200万立米が輸入ですから、国内産が1,800万立米消費されるんです。ところが今、我が国の人工林だけで年間7,000万立米、毎年毎年木が太って蓄積されているんです。だから、1,800万引いたって5,000万立米以上の木が余るんです、1年に。それを30年、40年先送りしたって、今度はそれがどんと出れば、むしろ事態はもっと深刻かもわからないんですね。 これを県でどうしてくれといったって、それはとても解決できるものじゃなくて、本来この分収林というのは国策で、一生懸命まじめにそれに地方がこたえ、そこに住む人がこたえた国策なんです。だから、こういった、このどうしようもないほど膨らんだ公社も含めてですけど、これはちょっと消費をふやすとか先に延ばす、そんなこと小手先なんです。やっぱり抜本的にやろうと思ったら木を切らないこと、公有林化です。だから、適材適木、ここは残せば土砂の流出につながるよ、水源の涵養につながるよ、そういうことをしっかりゾーン分けをやって、そしてやっぱりそれを国に責任を持たせる。財源をしっかり持たせて、やっぱり蓄積と消費とそれから多面的な機能、これをしっかりバランスをとる。そういう抜本的対策がないと、この問題は林業公社問題も含めて、僕は地方では無理と思うんです。先送りぐらいしかできないと思うんです。このことについて、国なんかに働きかけていこうというような気はお持ちでないのかどうか、環境森林部長に再度お伺いをいたします。 ◎環境森林部長(城土裕君) 〔登壇〕 お答えをいたします。 今後の森林管理につきましては、議員の御指摘もございましたとおり、水土保全林等の森林の機能区分に応じました適切な整備を進めますとともに、資源循環型社会の構築に向けまして、木材の需要拡大に積極的に取り組む必要があるというふうに考えております。これらの施策を進めるに当たりましては、県の取り組みはもとよりでございますけれども、森林は、国土保全等の公益的機能の発揮が期待をされておりますこと、あるいは京都議定書におきます温室効果ガスの吸収源として位置づけられておりますことから、国に対しましても、公有林化を初めといたします関連施策の充実強化を要望してまいりたいというふうに考えております。以上であります。〔降壇〕 ◆(坂口博美議員) 多面的機能だ、炭酸ガスだというのはもう耳なれていて、やっぱり目からうろこが落ちるぐらいの新たな考え方が出てこないと解決できないと思うんです。 それから、もうちょっと時間ありますけど、住吉海岸とか海岸保全です。今言われたように、もう今までのやり方は通用しないということで、これはゼロに戻ってしまった。手のつけようがないという状態が今だと思います。ただ、そんな中で、この保安林は確実に壊れていっているから、これをどうしても守らんといかんとなったとき、直立か緩傾斜かです。今言われたのは、緩傾斜は人が入れるというけど、そんなことないでしょう。穴があったら危ないです。直立だって階段つければ人はおりられるんです。だけど、どちらを入れても砂がなければ、やっぱりそこは災害にまた遭うから、砂をどうためるかというのと、1人じゃかなわんから、今、役割分担で養浜を土木サイドでやっていくということだったんですけれども、土木サイドでやったって、護岸をつくる、ブロックを入れる、中に砂を持ってきて入れるなんです。しかし、そこにはウミガメも上がらない。サーフィンもできない。最終的にはそれを抜かなきゃだめなんです。ユニットにうたってあるとおりの3つの目的を持った海岸として整備するなら。そうなると砂は逃げていくんです。毎年毎年、砂の補給をやらんといかん。その財源はどこがどれだけ持てるのかということで、宮崎はすべての海岸をこの本に記してあるような整備はできないんです。だから、もう一回これを精査することが一つ。 それから、砂なんですけれども、例えば一方じゃ、いろんなところが埋まったからといってしゅんせつして沖に捨てているんです。一方じゃそういうぐあいに取られてしまって、またどっかの砂を持ってきて入れる。なぜこんなことが起こるかというと、事業費の中でその砂を遠くまで運ぶ予算が見られていないからなんです。だから、持っていくにも持っていきようがない。だからといって、自分ところの金をつけてよその事業に行けない。だから、こういう調整をどうやっていくのか。沖で捨てた砂はまた上がってきてから、それをまたしゅんせつして、また捨てるんです。だから、そこらも総合的に見て。 それからもう一つ、観光・リゾート課というのは、スポーツランド構想で海のスポーツ、空のスポーツを持っています。ここらでも、そういった浜のスペースあるのかないのか。それから、時間がなくなったからあれですけど、そういったこととも連動しながら、すべての施策と連動しながらやっていかないと、これもなかなか解決つかないし、目的は達せないと思う。時間かけてでも、やっぱりぴしゃっとやっていくことをぜひ取り組んでいただきたいということを要望申し上げまして、すべての質問を終わります。(拍手) ○議長(米良政美) 以上で午前の質問は終わります。 午後は1時再開、午前に引き続き代表質問であります。 休憩をいたします。   午後0時9分休憩 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   午後1時1分開議 ○議長(米良政美) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次は、自由民主党、黒木次男議員。 ◆(黒木次男議員) 〔登壇〕(拍手) 質問に入ります前に、先般、本県に連続して襲来しました台風16号及び18号により多大の被害を受けられました県民の皆様方に対して、心よりお見舞いを申し上げます。 それでは、自由民主党を代表しまして質問をさせていただきます。 昨年の7月に第51代の宮崎県知事に就任されました安藤知事におかれましては、この9月議会でちょうど1年を経過したということになろうかと思います。この間、さまざまな出来事がございましたが、いろいろな面で知事が積極的に、県政を改革していこう、宮崎県を元気にしていこうと御尽力されてこられたことにつきましては、私は一定の評価をしてもよいと考えております。知事がこの1年間で苦労してまかれた種が芽を吹き、地上に姿を見せたが、この芽を今後どう大きく育てていかれようとしているのか、そのような視点で、通告に従い順次質問をいたします。 まず、新しい宮崎県総合長期計画の策定についてであります。 地方行政を取り巻く環境の変化や、多様化・複雑化する県政課題に的確に対応することを目的として、昨年9月に策定に着手された新しい総合長期計画については、去る7月に、今後10年間の本県の目標や目指す将来像を明らかにする長期ビジョンが策定・公表されました。少子・人口減少社会の進行、高齢社会の到来、環境問題など地球規模での課題の顕在化、市町村合併など地方分権に向けた動きの加速、そして、最近では回復基調にあると言われつつも依然として厳しい状況にある景気・雇用情勢、さらには本県の財政状況の悪化など、対応すべき課題が山積しております。このようなかじとりの大変難しい時代、大きな変革の時代における将来のビジョンでありまして、極めて重要なプランであると認識をしております。 特に、地方分権の進展により、地方の自己決定、自己責任という考え方が明確になり、地方自治体には、これまで以上の知恵と工夫及び個性の発揮が求められることとなっております。本県の財政状況が厳しさを増す中で、県勢の発展を図るためには、従来の概念にとらわれることなく斬新な発想で、特に本県の特徴や特性を生かす効果的な施策を構築することが必要であります。今回策定された長期ビジョンでは、将来の目標を「人と自然にやさしい『元気のいいみやざき』」とし、その中でも、特に本県の特性を生かすという観点から、「健康立県みやざき」と「環境立県みやざき」の取り組みを全国にアピールしていくこととしております。 ここで、知事にお伺いします。大変重要なこの時期に、今後10年間の本県の方向性を示した長期ビジョンについて、その特徴を含めて、知事としてビジョンに込められた思いをお聞かせください。 また、この長期ビジョンを実現するための具体的な施策やプロジェクトなどを明らかにする5年間の基本計画を、来年3月を目途に策定すると聞いております。せっかくつくった長期ビジョンも絵にかいたもちにならないよう、これを実現するための施策や手法を明確に示すことによって、長期ビジョンは本当に我々県民にとって現実的なものとなります。そこで、今後の基本計画策定についての基本的な考え方について、知事にお伺いします。 次に、景気・雇用対策についてであります。 内閣府が発表した本年9月の月例経済報告では、我が国の景気は堅調に回復しているとされており、雇用情勢につきましても、厳しさが残るものの改善しているとされております。また、総務省が発表した7月の全国完全失業率は4.9%と、前月より0.3ポイント悪化したところでありますが、厚生労働省が発表した7月の有効求人倍率は0.83倍で、前月を0.01ポイント上回り、改善の傾向にあります。 一方、本県の景気・雇用情勢につきましては、7月の労働力調査では、有効求人倍率が0.63倍と改善傾向にはあるものの、全国より0.2ポイント下回るなど、景気回復の実感は少なく、依然厳しい状況が続いております。 さらに、建設投資の減少などにより、建設産業は厳しい状況にあり、また農林水産物の価格低迷、内外競争の激化など、本県産業を取り巻く環境は厳しいものがあります。このような厳しい環境の中、雇用状況の改善を図っていくためには、既存産業の活性化、新たな産業の創造など、雇用の受け皿となる力強い産業の振興が重要であると考えております。 このような中、県では7月に、継続的な雇用の維持創出のための産業振興策などを内容とした「宮崎県雇用・産業再生指針」を策定されました。指針では、本県の完全失業率を、平成14年時点の5.5%から平成20年に4.2%に改善させることを目標に掲げ、その実現のために、地域資源の活用、民間活力を生かす、分野横断的な施策の展開などの視点から、さまざまな施策の方向性を示しております。そこで、本県の産業振興、雇用の安定を図るためには、民間の多くの方々の意見を踏まえて策定されたこの指針を着実に推進していくことが必要であると考えますが、本県の財政事情が厳しい中でどのように実行に移されるのか、知事にお伺いします。 次に、企業誘致についてであります。 「宮崎県雇用・産業再生指針」の中で、雇用の維持拡大のための施策の一つとして位置づけておられる企業誘致については、地域経済の活性化と雇用の場の創出に即効性があり、私を初め、県民の期待も大きなものがあります。そこで、現在の企業誘致の状況はどのようになっているのか、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いします。 また、最近の企業誘致の中でも、富士通日立プラズマディスプレイ株式会社の新工場建設のニュースは、本県にとりまして、本当に明るく喜ばしいニュースでした。現在、来年12月の操業開始に向けて、造成工事など着々と工事が進められているとお聞きしておりますが、完成の暁には、本県で製造された製品が世界じゅうに広まることを考えますと、実にうれしく、誇りさえ感じるところであり、早期の完成を願っているところであります。さらに、今回の新工場の建設を契機として、関連企業の立地や県内企業との事業協力について、大いに期待されるところであります。そこで、これらの点について現在どのように進められているのか、商工観光労働部長にお伺いします。 次に、スカイネットアジア航空についてであります。 宮崎市に本社を置く同社は、スカイマークエアラインズなどに続く第3の新規航空会社として、平成14年8月、宮崎-東京路線に就航いたしました。大都市圏から遠く離れた本県にとって、航空機は、県民生活においても、経済活動においても、なくてはならない交通手段であり、その運賃が安くなることは、まさに県民の悲願でもありました。 一方で、航空運送事業は、会社の設立後、航空機の調達を初め、乗務員の訓練、空港における施設の整備など、実際に運航を開始するまでには多額の経費と時間を要し、また、いざ運航を開始してからも、航空機のリース代金や燃料費、着陸料などの支出が大きいため、多額の運転資金を必要とし、また、景気動向など外的な要因にも左右されやすいと聞いております。我が国最大手の日本航空ですら、平成16年3月には実に886億円の経常赤字を出しており、非常に運営が難しい事業分野であると認識をしております。 SNAにつきましても、就航準備に要する経費について、県から8億円の補助を受けてスタートしたところでありますが、就航後も厳しい経営環境が続き、熊本-東京路線の開設により収入増を図るなど、会社としての懸命な営業努力を続ける一方、財団法人宮崎県市町村振興会からの補助や、地元金融機関からの融資などの支援を仰ぎ、今日まで事業を継続してきたと聞いております。 このような厳しい状況の中、本年6月、産業再生機構などによる支援が決定し、既に8月9日の株主総会及び取締役会を経て、大手航空会社出身の新社長を初め、航空事業や財務面に詳しい方による新しい体制がスタートしたところであります。また、産業再生機構からの34億円の出資とあわせて、今回、宮崎県中小企業支援ファンドからも2億円の投資がなされております。支援ファンドの原資には、県が宮崎県産業支援財団に無利子で貸し付けた20億円を含むものであること、また、県は厳しい財政状況の中、平成14年8月に就航準備費としてSNAに対して8億円の補助金を支出した。もちろんすべて県民の血税であります。そういう経緯を考えれば、県としても、SNAの経営についてしっかりとした見通しを持っておられてしかるべきと考えます。 長期にわたる景気の低迷や原油価格の高騰など、航空業界を取り巻く情勢はますます厳しいものがありますが、SNAの就航は、運賃の低下や便数の増を通じて、ビジネスや観光面を初め、さまざまな面で本県の活性化に貢献していると考えております。SNAにつきましては、今回の産業再生機構などによる支援を契機として、大手航空会社にも負けない航空会社として発展し、県民の翼として、将来にわたり郷土宮崎のために安定した飛行を続けていただきたいと願っているところであります。そこで、知事にお伺いしますが、今回の産業再生機構による支援についてどのように評価しているのか、また、今後のSNAについてどのような見通しを持っておられるのか、お伺いします。 次に、カーフェリー航路についてであります。 先日の新聞報道で、本県と京浜・関西を結ぶカーフェリー航路を運営するマリンエキスプレスが、航路の存続を図るために、10月1日から宮崎カーフェリーへ大阪・貝塚航路の営業を譲渡し、この2社でこれまでの航路を運営するという記事が載っておりました。本県のカーフェリー航路が、昭和46年に細島と川崎・神戸間に開設して以来、大都市圏から遠隔地にある本県にとって、カーフェリー輸送は、農産物や木材などを運ぶための重要な輸送手段の一つであり、農林水産業を初めとする本県産業にとって、重要な役割を果たしてきたところであります。 さて、カーフェリーでの輸送は、他の輸送手段に比べ、大量に、そして安価で確実に輸送できる唯一の交通手段であります。また、最近のスピードリミッターの設置の義務づけや、地球温暖化の問題に対応するための排ガス規制など、トラック輸送を取り巻く環境が厳しい中で、長距離の輸送手段はトラック輸送から海上輸送へ移ろうとしております。 このように、海上輸送、特にカーフェリー輸送が本県産業にとって重要な役割を果たす中で、国内のカーフェリー航路の多くが採算をとることが難しく、さらに最近の原油価格の高騰が、カーフェリーを運航する会社にとって大きな負担になっていると伺っております。そのため、会社としても経営改善に向け、これまで人員の削減や賃金カットなど、あらゆる手段を通じて合理化に努めているとのことでありますが、会社は依然厳しい経営を強いられており、今回の対応は、そうした中での会社としてぎりぎりの判断ではなかったかと思うのであります。 しかしながら、京浜航路につきましては、利用低迷という不況構図が長らく定着し、会社そのものの存立を脅かしてきております。今回の分社化でも、京浜航路を担うマリンエキスプレスが赤字体質のままであれば、状況次第では運休・廃止などのおそれも出てくるのではないかと、先日の宮崎日日新聞の社説を読んで感じたところです。そうなりますと、本県の産業に大きな打撃を与えることは間違いありません。今後、会社が考えているように、2社体制でこれまでの航路の運営がうまくいけばいいのでありますが、昨今の厳しい経営環境を考えますと、本当に会社の考えどおりうまくいくのか、本県のカーフェリー航路は本当に大丈夫なのかと心配しているところであります。そこで、会社の置かれている厳しい状況を踏まえて、カーフェリー航路の存続について県はどのように考えておられるのか、地域生活部長にお伺いします。 次に、電子県庁の推進についてであります。 我が国では、1990年代後半から、インターネットなどの情報通信技術、いわゆるITが急速に普及し、社会経済や生活のあらゆる面に大きな影響を与えております。このような状況を踏まえ、国では平成12年11月に、いわゆる「IT基本法」が成立し、平成13年1月に、我が国が平成17年までに世界最先端のIT国家となることを目標とした「e-Japan戦略」が策定され、これを受けて、情報インフラの整備、電子政府の実現などを重点分野として、さまざまな施策が集中的に講じられてきました。 本県においても、平成14年11月に、行政サービスの向上、行政運営の高度化、簡素効率化、県内経済の活性化を目的として、平成14年度から平成18年度までの5年間を計画期間とする「宮崎県電子県庁アクションプラン」を策定し、全庁挙げて電子県庁の構築に向けて取り組むこととされております。そこで、まず、電子県庁の進捗状況はどのようになっているのか、地域生活部長にお伺いします。 また、電子申請届け出システムについては、共働きの人などが、休みをとらずに自宅から夜でも申請届け出ができるということで、大変便利になると思いますが、最終的にはどの程度の手続を電子化する予定なのか、そのうち本年度はどれぐらいを予定しているのか、地域生活部長にお伺いします。 一方、ITの急速な普及に伴い、近年、個人情報の流出を初めとして、情報セキュリティーにかかわる事故が、テレビや新聞で数多く報道されています。私は、情報セキュリティー対策において一番重要なのは、職員一人一人の意識だと思っております。電子県庁を進めていく中で喫緊の課題となっている、この情報セキュリティー対策について、職員一人一人に対する対応も含め、どのように取り組んでいるのか、地域生活部長にお伺いします。 次に、市町村合併についてであります。 合併特例法の期限であります平成17年3月31日まで、残すところ6カ月余りとなっております。総務省が7月30日に公表した資料によりますと、7月1日時点で全国3,099の市町村が、総務大臣の合併告知済みを含めますと、本年度末までに2,869市町村になるようであります。さらに、全国では約600の合併協議会に約2,000の市町村が参加して、合併に向けた取り組みがなされているところであります。合併特例法の期限が迫ってきたこともあり、合併に向けた動きが、いよいよ佳境に入ってきたなと感じているところであります。 県議会におきましては、平成14年度の広域行政特別委員会で、自立し得る自治体を創設するためには市町村合併は必要不可欠との結論を出し、平成15年度の同特別委員会においても、委員長報告の中で、「諸般の事情があるとしても、市町村が抱えるさまざまな問題を顧みた場合、そして、それらの将来を展望した場合、今や市町村合併は避けては通れない喫緊の課題」と述べております。 県内の状況を見ますと、一方では、東児湯の合併協議会が解散するという残念なこともありましたが、先日は、日南市、北郷町、南郷町で新たな合併協議会が設置され、25市町村が参加した9つの法定合併協議会において、合併に向けた協議が精力的に行われていると伺っております。早いところでは、12月議会に合併に関する議案が上程できるよう作業を進めているところもあるやに聞いております。しかしながら一方で、合併協議会に参加していない市町村が19市町村もあります。今、この合併協議会に参加していない団体はこのままやっていけるのか、大変危惧しているところであります。 このような中、先般、合併新法が成立し、現行合併特例法期限後の平成17年4月以降についても、都道府県が市町村合併の推進に関する構想を策定するなどして、市町村合併を推進していくことが明確に示されたところであります。県としては、この合併新法の施行を見据えて、今後どう対応するのか、知事にお伺いします。 次に、スポーツランドみやざきの展開についてであります。 本県では、温暖な気候や豊かな自然などの恵まれた特性を生かし、また、すぐれたスポーツ環境などを積極的にPRすることにより、プロ野球やプロサッカーチームのキャンプ地、アマチュアスポーツの合宿地としてその地位を確立し、スポーツランドみやざきは、本県を特徴づける施策として大きく成長しております。 また、本年6月21日には、国の進める地域再生に関し、スポーツランドみやざき展開プロジェクトが、地域再生計画として第1号認定を受けたところであります。この地域再生計画は、地域の産業や技術、人材、観光資源、自然環境、歴史、文化など、地域が有する資源や強みを地域の知恵と工夫により有効活用する、それを国が施策や制度面の工夫により支援する制度で、地域経済の活性化や地域雇用の創造を図ることをねらいとするものであります。しかし、問題は、この地域再生計画を契機として、スポーツランドみやざきをいかに推進していくかであります。そこで、これまでの取り組みをさらに発展させて、今後どのように展開していくのか、基本的な考えについて知事にお伺いします。 また、今年5月に発表された本県のスポーツキャンプの状況を見ますと、平成15年度の団体数、参加人数とも過去最高の数字を記録しております。特に、プロ野球やプロサッカーチームが多数キャンプを行う春季キャンプの時期には、全国ニュースで宮崎県が出ない日はないくらいでありまして、スポーツランドみやざきの全国へ向けた発信力というものは、相当なものがあります。このPR効果を含めて、ことしの春の経済効果は、過去最高の117億円を記録したと聞いております。加えて、ことし5月には、県民待望のダイエー対西武戦、巨人対広島戦のプロ野球公式戦が開催され、また、平成18年にはプロ野球オールスターの開催が決定されるなど、スポーツランドみやざきの取り組みは、極めて順調な成果を上げてきているようであります。 しかしながら、多くのキャンプや合宿は、宮崎市やその周辺の市町村に集中しており、スポーツ施設や宿泊施設が飽和状態になりつつあるとも聞いております。県では、スポーツランドみやざきをさらに発展させていくために、今年度は、一部の市町村ではなく全県的に取り組んでいくとのことでありましたが、現在の推進状況はどうなっているのか、商工観光労働部長にお伺いします。 また、最近では、スポーツキャンプや合宿による経済効果に着目し、ほかの県も積極的な取り組みを行っているようであります。本県が今後もスポーツランドみやざきとしての確固たる地位を維持していくためには、新たな施策展開が必要と考えますが、どのように取り組んでいかれるのか、あわせて商工観光労働部長にお伺いします。 次に、小規模企業サポート貸付についてであります。 内閣府が9月9日に発表した月例経済報告によりますと、最近の景気動向は全国的には回復基調にあるようですが、本県においては、公共工事削減の影響などにより、依然として景気が上向いているとは思えない状況が続いております。特に、経営基盤が脆弱な中小企業者を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況にありますので、県において金融の一層の円滑化を図り、資金需要に的確に対応することにより、県内の中小企業者の経営の安定や活性化のための支援を積極的に進めていくべきであると考えております。そうすることにより、資金繰りが悪化し、まさに窮地に陥った企業が迅速に融資を受け、救われる、あるいは一息つけるという状況も出てくると思っております。 知事は、このような状況に対応するため、「10の宣言」で示された10億円規模の支援事業の創設の具体化として、小規模・零細企業の資金調達の円滑化を図る融資枠25億円の無担保・無保証人型の小規模企業サポート貸付を創設されたところですが、4月からの貸し付け状況はどうなっているのか、また、小規模企業サポート貸付は無担保・無保証人型の融資制度であるために、延滞や代位弁済がふえるのではないかとも思われますが、この点についてどのようにお考えなのか、商工観光労働部長にお伺いします。 次に、農政問題について3点ほど質問いたします。 第1点は、食料・農業・農村基本計画についてであります。 平成11年7月に、昭和36年に制定された農業基本法を約40年ぶりに改定し、食料・農業・農村基本法を制定し、さらに平成12年3月には、その具体的な推進のために食料・農業・農村基本計画を策定し、我が国の食と農の新たな未来に向けた取り組みをスタートさせたところであります。しかしながら、平成13年9月、国内で初めてのBSE感染牛の確認から始まる食の安全・安心をめぐる一連の事件は、その改革への取り組みを一たん停止させてしまったかのように、私には思われてなりません。 農林水産省は、BSE対策として大量の人員と予算をつぎ込み、その延長線で策定された食と農の再生プランにおいては、生産者中心の政策から消費者重視の政策へ軸足を移すと明記しております。私は、生産者と消費者を別物としてとらえ、軸足をそのどちらかに置くといった考え方には、大きな疑問を感じる一人であります。食と農の問題は、生産サイド、消費サイドのどちらか一方から見るべきものではなく、常に一体的にとらえるべきではないか、消費サイドにのみ軸足を置いたままでは、真の意味での食と農の再生は図れないのではないかと考えるのであります。 私は、これまで、生まれ育ったふるさと田野町の農業・農村の状況をつぶさに見ながら、常に生産者の目線に立って、畑地かんがい営農の推進や、農家経営を支える価格安定制度の充実強化など、農業の将来についてさまざまな提言を行ってまいりました。無論、消費者と生産者の相互理解の促進や食の安全・安心の確保は、大変重要な課題であると考えますが、私は、その安全・安心な食料を生産する担い手が、農村地域において、元気に意欲を持って農業に取り組める環境づくりこそ、今最も力を注ぐべき課題ではないかと思っております。 現在の農業情勢を見ますと、農家の減少に歯どめがかからず、農業従事者も減少・高齢化するなど、構造改革は計画どおり進んでいるとは言えない状況です。また、耕作放棄地は増加傾向にあり、その一方で、担い手への農地の集積はなかなか進んでいない。果たして、このような状況で、農業の持続的発展は期待できるのでしょうか。 このような中、亀井農林水産大臣は昨年12月、食料・農業・農村政策審議会に、現行基本計画の見直しを諮問されました。BSE発生から続く空白の2年を埋め、農業改革を一層進めるという理念のもと、現在、鋭意検討が進められているようであります。私が最も注目する担い手の経営安定の課題や農地制度の見直しなどが集中的に議論されていると聞いておりますが、現在、この食料・農業・農村基本計画の見直し状況はどうなっているのか、また、この基本計画の見直しをどう本県農業振興に反映させるのか、農政水産部長にお伺いします。 第2点として、本県農業を支える担い手の育成についてであります。 本年1月1日付で九州農政局が実施した農業構造動態調査の結果によりますと、県内の総農家数は5万2,100戸と、前年より2.1%、1,100戸減少したとのことであります。また、販売農家の農業就業人口のうち、65歳以上の割合は53.3%と半分以上となり、15歳以上の農業後継者がいる農家数は1万3,600戸にとどまり、県内農業者の高齢化が進んでおる状況が見てとれます。この状況から推察すると、残念ながら、農家数の減少はとめようもない状況と思いますが、本県農業の中核となる農業経営体については、何としてでも一定数を確保し、もうかる農業を目指して、経営改善を進めていかなければならないと考えます。すなわち、経営感覚にすぐれ、本県農業生産の大宗を担う認定農業者を確保育成することができなければ、本県の農業生産力は減退し、逆に遊休農地は増加し、さらにはみやざきブランドの確立にも支障を来すのではないかと大変危惧しております。そこで、農政水産部長にお伺いします。これまでの認定農業者数の実績はどうなっているのか、また、今後どのような支援策を展開されるお考えなのか、お聞かせください。 第3点として、農業の担い手減少に対応する集落営農組織の育成についてであります。 先般、全国農業コンクールという農業関係の表彰事業が行われ、都城市の農業生産法人が、全国1位の名誉あるグランプリを受けられました。その農業生産法人は、79ヘクタールの農地で農業生産を行い、11億5,000万円の売上高を上げられております。また、ある新聞に農業法人の売上高ランキングが掲載されておりましたが、全国100傑に県内の農業法人が5社、トップ10には2位と9位に位置づけられておりました。このように、大規模で高収益農業の展開が可能な農業法人の育成は、担い手の急激な減少が懸念される中で、今後の本県農業展開の一つの方向性を示しているように思います。しかしながら、このような企業的な法人経営は、基盤整備が進み、団地化された水田や広大な畑地が広がっている地域ならともかく、特に中山間地域のような条件の不利な地域においては、その設立そのものが大変難しいというのが現状ではないかと考えます。 このような状況を打開する新しい動きとして、都城の太郎坊地区では本年4月に、182名の組合員で構成する農業法人を集落ぐるみで立ち上げておられます。このように、農業法人や認定農業者など担い手の絶対数が不足する地域においては、集落の農業は集落の農家で守るという理念のもと、新たな地域農業の仕組みづくりを急ぐ必要があるのではないかと思います。そこで、農業の担い手減少に対応する集落営農をどのように評価し、その育成をどう図っていくのか、農政水産部長にお伺いします。 次に、高速道路の整備の見通しについてであります。 去る8月23日、九州縦貫自動車道人吉-えびの間の下り線の加久藤トンネルの供用が暫定的に始まり、高速道路の対面通行としては全国最長と言われた区間が解消されつつあり、本年度中には全面開通する予定と聞いております。東九州自動車道につきましては順調に整備され、九州縦貫自動車道と接続し、九州地域を有機的に結ぶ循環型高速道路となり、本県の自立的な発展を促すものと、県民は期待しておりました。しかし、平成13年度に入り、特殊法人等整理合理化計画において道路関係四公団の民営化方針が示されると、日本道路公団等の民営化に向けたさまざまな議論が行われ、その中で採算性や債務の返済を最優先とし、高速道路建設に大きな歯どめをかけるような意見も出されるなど、この間、地方の高速道路整備は逆風にさらされたと言っても過言ではなく、本県においても例外ではなかったと考えております。 そのような中でも、平成15年12月25日には第1回国土開発幹線自動車道建設会議が開催され、新直轄方式による整備区間として、本県からも東九州自動車道の3区間が選定され、さらに本年6月2日には道路関係四公団民営化関係法が成立し、新しい高速道路整備の道筋が明らかになってまいりました。東九州自動車道を初めとする高速道路は、諸産業を活性化させ、本県の発展を図ることはもちろんのこと、九州の一体的発展を図る上でも必要不可欠な社会資本であります。 しかし、東九州自動車道の供用は2割にも満たず、九州横断自動車道延岡線についてはどの区間も供用されていないなど、九州を循環する高速自動車国道等の早期整備は喫緊の課題となっております。平成17年度中には新会社が設立される予定と聞いておりますが、民営化後、本県の日本道路公団施行区間はどのようになっていくのか、また、新たな高速道路の整備手法である新直轄方式はどのように進められるのか、高速道路に関しては、その見通しにまだまだ不透明な部分があると考えているところであります。そこで、本県の高速道路、特に現在事業が実施されている区間について、今後の整備の見通しについて、土木部長にお伺いします。 次に、教育関係についてであります。 まず、学力向上についてであります。 教育は国家の基本であり、一人一人の国民にとっては、未来を生きる力を学ぶ不可欠の機能を持っているものであります。この大切な教育は、まさに国家百年の大計に立って進めていかなければなりません。そのためには、何よりもまず、義務教育段階において、子供たちに基礎的な学力や豊かな心を身につけさせることが肝要であります。このことが、大交流・大競争の時代である21世紀の国際社会において、志を持ち、世界に貢献する日本人を育成する根本だと考えます。 文部科学省においては、新しい時代を切り拓くたくましい日本人の育成を目指した「人間力戦略ビジョン」を発表いたしました。ビジョンでは、「自ら考え行動するたくましい日本人」を目標の一つに掲げ、これを達成するため、国民の教育水準は競争力の基盤という考え方に立って、確かな学力の育成を施策の第一に挙げております。これは、学力の向上が国家の課題であるということを明確にしたものであると思います。 このような中、本県でも、平成16年7月に策定した長期ビジョンの中で、学力向上対策の推進を重点施策の一つに掲げ、我が国や本県の未来を拓くたくましい人材を育てようとしております。今や学力の向上は本県教育の喫緊の課題であり、各学校では、学力向上のためのさまざまな取り組みをしておられると聞いております。 しかし一方では、ゆとり教育や学校週5日制の影響から、学力の低下を懸念する県民の声が聞かれるのも事実であります。こうした懸念に対する県の対応は十分でしょうか。私は、施策として学力向上の問題を考えるとき、まず大切なことは実態の把握であると思います。本県では、学力の実態を把握するため、基礎学力調査を実施していると聞いておりますが、どのような実態が明らかになったのか、また、その実態は全国的に見てどのような状況であるのか。そして、実態を踏まえてどのような対応をしていくのか、教育長にお伺いします。 次に、障害のある子供たちへの教育についてであります。 知事は、「10の宣言」の中の「人間教育再考宣言」において、障害のある子供たちのための教育の充実と教育環境の整備を挙げておられました。そこで私は、昨年の11月議会において、養護学校で看護師などによる専門的な医療ケアが実施できないか、質問をいたしました。その後いろいろ検討していただきまして、本年度になり、清武養護学校を初め、5つの養護学校に6人の看護師を派遣していただき、障害の重い子供たちのために、経管栄養や導尿、吸引などの医療的ケアが実施されるようになりました。 保護者の方々は、「看護師さんに相談相手になっていただき、心強いです」とか、「今まで子供に我慢させていたのかもしれない。専門的な対応をしてもらうことで、子供のストレスも少なくなったようです」などと大変喜んでおられます。この医療的ケアの実現のために御努力をいただいた、知事を初めとする関係者の方々に、大変感謝をいたしておるところであります。 さて、少子化が進む中、小中学校の子供たちは減少傾向にある一方、盲・聾・養護学校や特殊学級で学ぶ子供たちはふえていると聞いております。また近年、小中学校においては、学習障害、注意欠陥多動性障害や、高機能自閉症と言われる子供たちの存在が明らかになり、学校ではその対応が求められております。このような中、昨年3月に文部科学省が、「今後の特別支援教育の在り方について」と題する最終報告を行いました。その中では、これまでの盲・聾・養護学校、特殊学級の子供たちに加え、学習障害などの子供たちも含めて、これから一人一人の教育的なニーズに応じた特別支援教育へ転換していくことが求められております。 学習障害などの子供たちは、これまで、本人の努力が足りない、保護者の養育にその原因があるなどと誤解され、傷ついてきました。また、それが原因でいじめに遭ったり、不登校を引き起こしてしまったりする例もあると聞いております。私は、これまで議会で生徒指導の問題も取り上げてきましたが、不登校になる子供の中には、学習障害などが原因となっていたものもあるのかと思うと、改めてしっかりした対応が必要だと思うのであります。 このような学習障害などの子供たちの出現率は約6.3%という調査結果があるとのことですので、県内には約7,000人いるのではないかと推測されます。さらに、盲・聾・養護学校などに在籍している障害のある子供たちが約1,000人であることを考えますと、これからの特別支援教育では、これまでに比べてはるかに多くの子供たちのさまざまな教育的課題に対応していかなければならないことになります。県教育委員会は、このような特別な教育的支援を必要とする子供たちの状況をどのようにとらえているのか、また、これからの特別支援教育のさまざまな教育的課題にどのように対応しようとしているのか、教育長の見解をお伺いします。 以上で壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(安藤忠恕君) 〔登壇〕 黒木議員の御質問にお答えいたします。 まず、長期ビジョンへの私の思いについてであります。本県は、少子・高齢・人口減社会の進行や、厳しい景気・雇用情勢の長期化、財政状況の悪化など、厳しい環境にあり、克服すべきさまざまな課題を抱えておりますが、本県には、県内各地で頑張っておられる県民の方々を初め、産業、豊かな自然などの宝がたくさんあります。私は、このような宝を見つけ、さらに磨きをかけること、つまり、本県の持つ特性を最大限に発揮することが肝要と考えております。したがいまして、今回の長期ビジョンの策定に当たりまして、本県の資源や特性を生かすという視点を最も重視したところであります。今後10年間の基本目標として掲げました「人と自然にやさしい『元気のいいみやざき』」は、人と自然に対するやさしさを本県の特性として大切にし、そのことにより、人と自然の持てる力が十分に発揮され、暮らしや産業などが生き生きとしている、そのような県を築いていくというものであります。 また、今回の長期ビジョンの最大の特徴でありますが、健康な生活や快適な環境等の県民のニーズへの対応、及び本県を全国にアピールする取り組みとしまして、健康立県及び環境立県を打ち出したところであります。具体的な施策はこれから構築してまいりますが、基本目標の達成に向けまして、県、市町村、県民が一体となって取り組むことにより、県民の皆さんが自信と誇りを持ち、また、将来にわたって存在感のある地域として輝き続ける宮崎をつくってまいりたいと考えております。 次に、基本計画策定に当たっての考え方についてであります。基本計画は、長期ビジョンに描いた将来像を実現するための、今後5年間の具体的な施策を明らかにするものでございまして、主に、分野別の施策と分野横断的な戦略的プロジェクトで構成することとしております。この基本計画の策定に当たりましては、私は特に次の3点が大事であると考えております。1つには、実効性ある計画とすることであります。厳しい財政状況の中ではございますが、選択と集中の観点から施策の重点化を図り、県勢発展のための実効性ある施策を構築したいと考えております。2つ目でございますが、県民にわかりやすい計画とすること。また、施策の到達目標を明らかにして事業を推進するという観点から、できるだけ明確な数値目標を設定することとしております。3つ目に、「元気のいいみやざき」は県だけで築けるものではありませんので、県民の皆さんや市町村との協働と役割分担に留意して、施策を構築することであります。このような考え方に基づき、来年3月を目途に基本計画を策定し、着実に推進してまいりたいと考えております。 次に、雇用・産業再生指針についてであります。継続的な雇用の維持創出及びそのための諸産業の振興は、本県にとっての最重要課題であると認識しておりまして、県政全体に係る総合長期計画に先立って、「宮崎県雇用・産業再生指針」を本年7月に策定したところであります。この指針は、それぞれの専門分野における民間の方々を主なメンバーとします105名の雇用・産業再生委員会及び10の分野の専門部会での熱心な議論の結集として策定したものでございまして、策定段階から申し上げておりましたとおり、幾つかの施策につきましては、既に平成16年度予算に盛り込んでいるところでございます。また、雇用・産業再生委員会や専門部会で最も多くの意見のありました産業連携につきましては、その具体化に向けて早速、着手したところでございます。さらに、平成17年度の予算編成に向けまして、この雇用・産業再生指針の推進が大きな柱になると考えており、厳しい財政事情の中ではありますが、効果的、効率的な事業の構築に努めてまいります。今後とも、雇用・産業再生本部を中心に各部局が一体となって、また、市町村や関係団体、企業などと十分連携して、継続的な雇用の維持創出に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、企業誘致の状況等についてであります。企業誘致は極めて大きな雇用効果が期待できますことから、知事就任以来、誘致企業へのフォローアップ事業の一環としまして、東京、大阪で「宮崎県立地企業の集い」を開催したのを初め、直接企業を訪問するなど、誘致活動に積極的に取り組んでいるところであります。その結果、今年度は、コマツ電子金属株式会社を初めとしまして、南九州コカコーラ・ボトリングの関連会社であります白州ヘルス飲料株式会社など、本日現在で既に、昨年度1年間の14件を上回る15件の企業誘致に成功しているところでございます。また、御承知のとおり、富士通日立プラズマディスプレイ株式会社では、今年度、2番館の増設に加えまして、新しい工場の建設が、現在進められているところでございます。 今後とも、市町村や関係機関と一体となりまして、企業誘致や地場企業の育成に取り組みますとともに、引き続き、私みずからも企業を直接訪問して本県への新規投資を働きかけるなど、トップセールスを積極的に展開し、新たな雇用創出と本県産業の活性化を図ってまいりたいと存じます。 次に、スカイネットアジア航空についてであります。お話しございましたとおり、スカイネットアジア航空の就航は、航空運賃の低下や便数の増加による利便性の向上、あるいは雇用の確保、本県産業の活性化等に効果をもたらしております。しかしながら、航空会社を取り巻く情勢が厳しい中、平成15年度決算では約14億円の債務超過の状態にあるなど、早期に経営基盤の強化を図る必要があるということから、産業再生機構への支援要請がなされたものと理解しております。また、今回の産業再生機構による支援は、地域経済に配慮した企業支援という側面もあることから、宮崎県中小企業等支援ファンドにも支援要請がなされたものと、あわせて理解しているところでございます。 今回の支援決定に当たっては、産業再生機構において、スカイネットアジア航空の経営内容につきまして、専門家による詳細な調査検討がなされ、それを踏まえた事業再生計画に基づき、必要な資金と専門的な人材が投入されておりますので、確実に経営基盤の強化が図られるものと考えております。県といたしましては、今回の支援により、スカイネットアジア航空が安定した経営基盤のもと、今後とも引き続き、県民の利便性の向上、本県産業の活性化等に貢献していただくよう期待しておるところでございます。 次に、いわゆる合併新法の施行を見据えた今後の対応についてであります。先般成立いたしました合併新法では、法務大臣の定める基本指針に基づく合併構想の策定、合併協議会設置の勧告などに関する規定が整備されるなど、現行の合併特例法期限後の平成17年4月以降も、国においては、自主的な市町村の合併をより一層推進することが明確に示されたところであります。 私は、少子高齢化の進展や厳しい財政状況など、市町村を取り巻く情勢が大きく変化する中で、住民に最も身近な基礎自治体としての市町村が、さまざまな課題に的確に対応できる自治能力の向上等を図る上で、市町村合併は有効な方策であると考えております。県といたしましては、現在、法定合併協議会に参加している市町村が、地域の将来を見据えた市町村合併への取り組みを本格化していただきたいと考えておりますので、さまざまな面から適切な支援を行ってまいりたいと存じます。 また、地方分権が進展する中、市町村合併の議論は避けて通ることのできないものであるとも認識しておりますので、現在、法定合併協議会に未参加の市町村におきましても、自主的な合併についての検討を行っていただくよう、情報提供や助言を行うなど、新法の趣旨を踏まえた取り組みを推進してまいりたいと考えております。 最後に、スポーツランドみやざきの今後の展開についてであります。これまで、プロスポーツのキャンプなどによりまして築いてまいりましたスポーツランドみやざきは、本県の特性を生かして地域経済の振興に寄与するとともに、本県の存在感を全国にアピールする上で極めて重要な施策であると認識しております。また、このたび長期ビジョンの中で、健康立県及び環境立県を掲げたところでありますが、スポーツランドみやざきは健康立県の大きな柱になると考えておりまして、地域再生計画の推進を含め、今後の積極的な展開が必要であります。 このようなことから、今後は、スポーツキャンプやスポーツイベント誘致への取り組みをさらに拡大するとともに、スポーツを通した県民の健康づくりや、スポーツレベルの向上を図ることによりまして、スポーツランドを県民に身近で全県的なものにしていく必要があります。さらに、スポーツを通しました交流・定住の促進とか、スポーツによる健康関連産業の振興など、より広がりのある施策へと展開していきたいと考えております。したがいまして、現在策定中の基本計画の中で、市町村や県民との協働という視点に留意しつつ、具体的な展開方向やプロジェクトの推進を検討してまいりたいと考えております。以上でございます。〔降壇〕 ◎地域生活部長(村社秀継君) 〔登壇〕 お答えいたします。 初めに、カーフェリー航路についてであります。マリンエキスプレスの京浜航路の運営につきましては、お話にありましたように、大変厳しい状況にあると聞いております。今回発表されました宮崎カーフェリーへの関西航路の営業譲渡につきましては、大口債権者の了解を得た上で、それぞれの会社において両航路の特性に合わせた航路運営を行い、2つの会社が連携しながら京浜航路の存続を図るために講じられた措置と伺っております。カーフェリー航路につきましては、農産物や木材の輸送を初め、本県産業の振興のために重要な役割を担っていることから、県におきましては、荷主等にコストの一部を助成する海上航路利用テスト事業や、海上輸送を前提とした冷蔵コンテナの導入費用の一部を助成する輸入急増農産物対応特別対策事業を実施するなど、利用促進に取り組んでいるところであります。県といたしましては、トラックから海上輸送への転換というモーダルシフトの観点からも、今後とも関係機関等と連携の上、カーフェリー航路の利用促進に努めてまいりたいと考えております。 次に、電子県庁の推進についての一連のお尋ねであります。 まず、電子県庁の進捗状況についてであります。県では、平成13年度に県庁LAN-WANを整備し、平成14年8月に宮崎情報ハイウェイ21を供用開始するなど、情報基盤の整備を行ってきたところであります。さらに、平成14年11月には電子県庁アクションプランを策定し、主要なシステムの整備等に計画的に取り組んできたところであり、電子県庁の実現に向けて、おおむね順調に進捗いたしております。具体的には、平成15年度に電子申請届け出システムの構築を完了し、本年度中の稼働に向けて、行政手続オンライン化条例等の準備を進めるとともに、電子入札システム等についても現在構築を行っているところであります。また、税務電算トータルシステムを本年度から稼働させるとともに、新財務会計オンラインシステム等についても、現在構築を行っているところであります。今後とも、IT推進本部を中心に、庁内の総合調整を図りながら、電子県庁の実現に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、電子申請届け出システムで電子化する手続数についてであります。電子申請届け出が可能となる手続数につきましては、本年度は20手続程度を予定いたしております。その後、年次的に対象手続を拡充し、最終的には、年間の申請届け出件数ベースで9割程度がカバーできるような手続数ということで、400手続程度にしたいというふうに考えております。 最後に、情報セキュリティー対策についてであります。県では、平成15年6月にIT推進本部において情報セキュリティポリシーを策定し、全庁挙げて情報セキュリティー対策に取り組んでいるところであります。また、職員一人一人の情報セキュリティーに対する意識の向上を図るため、日ごろから情報セキュリティーに関する最新情報を全職員に提供するとともに、各所属の情報化推進リーダーや各部局の幹部職員に対する研修を実施しているところであります。さらに、各種の物理的、技術的な対策を講じるとともに、本年度から、外部の専門家によるセキュリティー監査を実施することとしておりますが、今後とも、情報セキュリティー対策には万全を期してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。〔降壇〕商工観光労働部次長(戸高榮作君) 〔登壇〕 お答えいたします。 初めに、FHP(富士通日立プラズマディスプレイ株式会社)関連企業の誘致等についてであります。去る8月20日、FHP新工場建設用地造成工事の起工式が行われ、現在、着々と工事が進んでおりますが、当工場の完成によりまして、新たな雇用の場の創出や税収効果はもとより、関連企業の進出による本県産業の一層の振興が期待されるところであります。このため、関連企業の誘致に当たりましては、FHPにも御協力いただくとともに、知事みずからが企業を訪問するなど、積極的な誘致に取り組んでおりまして、その結果、9月8日にUMCエレクトロニクス株式会社の本県への進出が決定したところであります。また、県内企業とFHPとの事業協力につきましても、県工業会や産業支援財団などと連携しながら、鋭意取り組んでいるところであります。今後とも、本県産業のさらなる発展が図られるよう、知事を先頭に関連企業への誘致活動等を積極的に行ってまいりたいと考えております。 次に、スポーツランドみやざきの全県的な取り組みについてであります。現在、スポーツキャンプ・合宿につきましては、県内各地でも受け入れが行われるようになってまいりましたが、全体としては、宮崎市及びその周辺に集中しており、今後、全県的に一層の誘致促進を図るためには、各市町村の情報の共有化や、広域的な取り組みによる受け入れ体制づくりが重要であると認識しているところであります。このため、今年度、スポーツキャンプ・合宿誘致の推進組織であります「スポーツランドみやざき推進協議会」の構成市町村を7から31に拡大しまして、組織強化を図ったところであります。また、新たに、複数の市町村が連携してスポーツキャンプ・合宿の誘致を促進するためのブロック協議会の設立や、PR用パンフレットの作成、研修会の開催等の共同事業に対して支援を行うこととしております。このような取り組みをさらに充実させながら、スポーツランドみやざきの一層の推進に努めてまいりたいと考えております。 次に、スポーツランドの新たな施策展開についてであります。近年、スポーツキャンプ・合宿の誘致競争が激化している中で、本県がスポーツランドみやざきとしての優位性を将来にわたって維持していくためには、全県的な展開に加え、本県の特性を生かした新たな展開が必要であると考えております。このようなことから、県では、南北400キロメートルに及ぶ海岸線を活用したマリンスポーツを推進していくため、今年度から、資源調査やマリンスポーツ愛好者等へのアンケート調査、さらには、愛好者や地元住民の方々等による意見交換などを行いながら、観光資源としての可能性調査に取り組んでいるところであります。今後は、この調査結果を踏まえまして、各地域における安全講習会やインストラクター養成など、マリンスポーツを観光資源として活用していくための受け入れ体制づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 また、マリンスポーツに限らず、あらゆるスポーツのキャンプ・合宿の受け入れに当たりましては、スポーツ施設の整備充実はもちろんのこと、地元の方々の理解と協力が必要でありますことから、それらの受け入れ体制の充実につきましても検討してまいりたいと考えております。 最後に、小規模企業サポート貸付についてであります。本年4月1日の取り扱い開始から8月末までの利用状況につきましては、保証申し込みが1,003件あり、審査結果の出ている877件のうち、保証承諾は839件の20億1,665万円となっております。これを業種別に見てみますと、建設業が275件の32.8%、卸小売業が263件の31.3%、サービス業が186件の22.2%でありまして、多くの小規模企業者に活用されております。 また、延滞や代位弁済についてでありますが、小規模企業サポート貸付は、厳しい経済状況下にある小規模企業者を支援するために創設した制度であります。8月末の時点では、返済が滞るケースは少なく、信用保証協会による代位弁済も発生していないようでありますが、厳しい経営環境にある小規模企業者を対象としていることから、今後、返済が困難な小規模企業者がふえる可能性もあるものと考えております。しかしながら、小規模企業者の支援のためには円滑な資金供給が必要でありますので、金融機関、信用保証協会による適正な審査を経た上で、積極的な融資を行うこととしております。以上でございます。〔降壇〕 ◎農政水産部長(田尻徳明君) 〔登壇〕 お答えいたします。 まず、食料・農業・農村基本計画の見直しについてであります。国におかれましては、昨年12月の農林水産大臣の諮問を受けて、食料・農業・農村政策審議会の企画部会において、品目横断的な政策への転換、担い手・農地制度の改革、それから農業環境・資源の保全対策の確立、いわゆるこの主要3課題について重点的な議論が行われているところでございまして、去る8月10日には、その議論の中間的な論点整理が公表されたところでございます。この中間論点整理では、まず担い手政策について、認定農業者制度を基本にいたしまして、集落営農も担い手として位置づけ、各種施策を集中的、重点的に実施することや、経営安定対策につきましては、対象となる担い手を明確にした上で、経営全体に着目した品目横断的な対策へ転換するとともに、野菜、果樹、畜産などの部門専業的な営農類型については品目別に検討すること、それから、農地制度につきましては、優良農地の確保、農地の効率的な利用の確保を図る観点から、各種制度について総合的に検討を進めること、さらに、農業用水等の生産のための資源保全施策につきましては、新たな施設整備から保全管理施策へ移行すること、また農業生産環境施策につきましては、農業者が最低限取り組むべき規範を明確にいたしまして、農業振興政策全般に関連づけていくこと等が内容として整理されております。 これらの内容は、本県農業・農村の振興を図る上からも大変重要な事項ばかりではありますが、具体的な内容については秋以降に議論されることとされておりますので、今後の議論の行方を注意しながら見守ってまいりたいというふうに思います。本県農業の実情に照らしてはどうなのか、本県生産者への影響はどうか等十分に検討しまして、今後、現在策定中の本県の新しい農業・農村振興長期計画の中にも位置づけてまいりたいというふうに思っているところでございます。 次に、認定農業者数の実績と今後の支援策についてであります。平成16年6月末におきます本県の認定農業者数は7,164経営体となっておりまして、平成22年度の目標8,000経営体に対する達成率は89.6%となっております。認定農業者は、地域農業の核となる担い手でありまして、今後、国及び県の重点的な政策支援の対象でありますことから、その確保育成は大変重要な課題でございます。このため、県といたしましては、市町村を中心とした関係機関・団体の指導体制を強化いたしますとともに、効率的な経営を展開するために必要な施設・機械の整備や、農地の集積を進め、さらには農業簿記の普及など経営指導等の充実によりまして、認定農業者の経営改善計画達成に向けた支援の一層の強化を図ってまいりたいと存じております。 最後に、集落営農の評価とその育成方策についてであります。地域ぐるみで効率的な営農が展開できる集落営農組織は、高齢化に対応して地域農業を維持する上で、また水田農業の構造改革に対応する上でも、重要な担い手であると認識いたしております。特に、認定農業者などの個別経営体だけでは担い手が不足することが予測される地域におきましては、集落営農組織の育成は緊急の課題であると考えております。このため、県といたしましては、集落営農育成マニュアルの作成、研修会の開催など、その育成支援に努めているところであります。今後とも、県内外の先進的な取り組み事例の紹介や、法人化の推進などにより、安定した経営基盤を持つ集落営農の組織づくりを、積極的に支援してまいりたいというふうに考えているところであります。以上であります。〔降壇〕 ◎土木部長(鈴木和俊君) 〔登壇〕 お答えいたします。 高速道路の整備の見通しについてであります。東九州自動車道におきましては、門川-西都間の総延長59キロメートルを日本道路公団により、大分県境から北川間及び清武-日南間の総延長45キロメートルを、新直轄方式により整備が進められております。このうち日本道路公団区間では、7月に大規模土工事や橋梁工事等が発注されるなど、用地取得及び工事もおおむね順調に進められております。民営化後の整備についてでありますが、本県を事業の範囲とする西日本高速道路株式会社は、平成17年度中の設立が予定されており、現在、日本道路公団で事業中の区間は、会社設立後に国土交通大臣が会社と協議し、建設路線として指定することになっております。門川-西都間につきましては、平成15年度に国土交通省から示されました「高速自動車国道の評価」の結果では、評価対象箇所の中でも採算性などが相対的に高く、総合評価も高いことから、新会社の建設路線として指定を受け、引き続き整備が進められるものと考えております。 また、新直轄区間につきましては、平成15年度に事業化され、現在、設計及びコスト縮減の検討などが行われており、早期着手に向けて、国土交通省が関係機関との調整を行っているところであります。その中で、清武-北郷間におきましては、本年度に地元自治体との協議等を行う予定であり、引き続き地質調査なども進められております。 さらに、将来、高速道路と一体となって機能する道路として国土交通省が整備しております、国道10号延岡道路及び国道218号北方延岡道路につきましても、延岡-延岡南間と舞野-延岡間の平成17年度の供用が公表されるなど、着々と整備が進められております。 しかしながら、高速道路の整備を取り巻く環境は依然として厳しいことから、さらに高速道路の必要性を訴えていくことが重要であると考えております。このため、知事が7月の12日に福岡市において、また8月の24日には上京し、新会社への移行がスムーズに行われるとともに、県内高速道路の早期整備が図られるよう、国土交通省及び日本道路公団に対して強く要望を行ったところであります。県といたしましては、高速道路網の早期完成に向けて、引き続き全力で取り組んでまいりたいと存じます。以上でございます。〔降壇〕 ◎教育長(高山耕吉君) 〔登壇〕 お答えいたします。 まず、学力についてでございます。一昨年度から実施をいたしております基礎学力調査におきましては、中学校の社会科と理科におきまして、グラフや表などの資料を活用する力や、実験をもとに考える力に課題を残し、想定した目標点を少し下回っております。その他の教科におきましては、文章を深く読み取る力や、自分の考えを適切に表現する力に課題を残しております。 次に、基礎学力調査についてでありますが、この調査は本県独自の調査でありますことから、全国的に見た実態の把握はできていない状況であります。したがいまして、今後は、課題に適切に対応するとともに、全国との比較ができる調査の実施により、的確な実態の把握や分析を行いつつ、それをもとに、積極的な学力向上対策の推進を強力に図っていかなければならないと考えております。 次に、特別な教育的支援を必要とする児童生徒の状況でございます。少子化が進み、小中学校に在籍する児童生徒が減少する中で、これまで特殊教育の対象としてきた盲・聾・養護学校や特殊学級に在籍する児童生徒の数は、年々増加傾向にあります。さらに近年、このような児童生徒に加えまして、学習障害や注意欠陥多動性障害、高機能自閉症等への対応が求められております。これらの児童生徒につきましては、現在、小中学校の通常の学級の中で教育を受けているところであります。このような状況から、今後、特別な教育的支援を必要とする児童生徒への対応は大変重要な課題であり、県教育委員会といたしましては、その具体的な取り組みが急務であると考えております。 最後に、特別支援教育への対応についてであります。特殊教育から特別支援教育への円滑な移行を図るため、今年度から、特別支援教育システム構築事業を実施したところでございます。この事業におきましては、心理検査等が実施できる教員を養成する研修や、すべての小中学校や盲・聾・養護学校でコーディネーターを養成する研修など、特別支援教育の中心的役割を担う教員の養成を行っております。今後は、これら教員の養成を図りながら、すべての教職員が特別な教育的支援を必要とする児童生徒に適切に対応できる体制づくりや、地域における特別支援教育のセンター的役割を担う盲・聾・養護学校の機能の強化など、総合的な推進に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。〔降壇〕 ◆(黒木次男議員) 知事を初め、それぞれ御答弁をいただき、ありがとうございました。知事に1点だけ再質問をさせていただきたいと思います。 先ほどの商工観光労働部次長の答弁では、小規模企業サポート貸付は、8月までの5カ月間で20億円を超えたということですが、この事業を活用することによって、倒産の危機から立ち直る企業も多いと思われます。そこで、県も極めて厳しい財政状況の中ではありますが、できる限りの融資枠の拡大が必要ではないかと考えるところであります。そこで、現在の融資枠である25億円を超過する場合はどのような対応をとられるのか、知事の見解をお伺いします。 ◎知事(安藤忠恕君) 〔登壇〕 お答えいたします。 小規模企業サポート貸付についてでございますが、これは、私は県内を回りまして具体的にたくさんの声を聞いたわけでございます。それは何かといいますと、長引く景気低迷の中で大変苦しんでいらっしゃる方が結構いらっしゃっるということでございますが、それは何かというと、そう多額じゃない、少額でもいい、資金繰りなんかあるといいんだがという声がたくさんあったわけでございます。具体的に言うと、数十万円でもだれか貸してくれると、2~3人の従業員が失職しなくていいし、企業もうまく継続できるんだと、そういう話がございまして、それぐらいでしたら銀行なんかに行けば貸してもらえるんじゃないですかと、私は額の方から言ったんですが、少額であれば。それさえなかなか工面してもらえぬという話を比較的たくさんお聞きしまして、これは無担保無保証の少額の貸付制度をつくったらいいなと、そう思いまして私の公約に位置づけたわけでございます。 最近の実績、先ほど担当次長が御答弁いたしましたが、予想以上の実績だなと実は考えているわけでございます。8月末現在で申し込みだけでも1,000件を超えたということだし、保証承諾が840ぐらいだということで、既に20億を超えているようでございます。これは8月末でございますから、この勢いでいきますと25億を超えるんじゃないかと見ております。そういうことで、効果のある小規模の貸付制度だなと思っておりますので、さらに支援をすることとしたいと考えておりますので、融資枠も倍額、50億程度に拡大する必要があるかなということで今、検討を開始したところでございます。以上でございます。〔降壇〕 ◆(黒木次男議員) ただいま知事の本当に力強い御答弁をいただきまして、非常にうれしく思っているところでございますが、先ほども申し上げましたように、この資金を活用することによって、倒産寸前の人たちが救われて、また新たに人手を雇うと、雇用の増進にもつながるということで、私もこの問題については真剣に取り組んできたわけですが、本当に力強い御答弁をいただき、ありがとうございました。 それでは、最後に要望申し上げたいと思いますが、まず、カーフェリー航路について知事へ要望申し上げたいと思います。京浜航路の重要性について考えますと、例えば、経済連扱いの京浜向け農畜産物は約7割が海上輸送を利用するなど、本航路は本県と首都圏を結ぶ生命線でもあります。だからこそ、なかなか採算がとれない航路であっても、関係機関等の協力を得ながら、これまで会社として必死になって航路を維持してきたものと思うわけであります。しかしながら、昨今の原油価格の高騰や台風欠航による減収は、会社にとって予想を上回る厳しいものとなっていると伺っております。もし万一この航路が廃止にでもなれば、特に農林水産業を初めとする本県産業に大きく影響を与えることは間違いないと考えるわけであります。また、地域生活部だけでなく、農政水産部や商工観光労働部、環境森林部など関係部局におかれましては、ぜひとも本航路の意義や、本航路が置かれている状況を厳しく認識をしていただき、将来悔いを残すことのないよう、京浜航路の存続に向けて、真剣に検討し、適切に対応していただくよう要望いたしたいと思います。 最後に、知事及び教育長に要望したいと思います。学力についてであります。ぜひ全国との比較ができる調査を実施し、本県の学力の実態を的確に把握していただきたいと思います。それをもとに各学校が互いに切磋琢磨する中で、将来の宮崎を担い、ふるさとに貢献できる人材を育てていただきたい。そして、教育立県宮崎を全国にアピールしていただきますよう強く要望して、私の質問のすべてを終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(米良政美) 以上で本日の質問は終わりました。 あすの本会議は、午前10時開会、本日に引き続き代表質問であります。 本日はこれで散会をいたします。   午後2時34分散会...